弁護士が語る!経営者が知っておきたい法律の話(第2回)「営業秘密」を不当に持ち出されてしまう前に

業務課題 法・制度対応

公開日:2015.07.15

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 「わが社独自のノウハウ」「わが社独自の技術・ネットワーク」……あなたの会社には、こうした「売り」はありませんか?または、取引先の情報が記載された「名簿」はありませんか?

 もし心当たりがある場合、これら「売り」や「名簿」などを持ち出した元従業員が、同種の事業を立ち上げた、といった話を聞いたことはありませんか?

 企業の「売り」や「名簿」は、法律的には「営業秘密」と呼ばれます。営業機密を不当に持ち出して、個人的なお金儲けに利用するという話は決して他人事ではなく、あなたの会社でも起こりうることです。営業秘密は一度流出してしまうと、元の状態には戻りません。そうなる前に、流出をどう防ぐかを考えてみましょう。

そもそも営業秘密とは?

 営業秘密は、不正競争防止法という法律によって保護されています。同法では、営業秘密を営業秘密として認められるために、次の3つの要素をすべて満たしている必要があることを規定しています。

・秘密として管理されていること
・有用な情報であること
・公然と知られていないこと

 この不正競争防止法では、営業秘密を侵害する一定の行為に対し、使用等の差し止め、損害賠償、謝罪広告等の信用回復措置による保護を認めています。また、営業秘密の不正取得・使用・開示行為のうち、一定の行為を犯罪として処罰する旨を定めています。

 しかし、どんなに知られたくない情報であっても、上記3要素を満たさなければ、同法上の営業秘密にはならず、同法による保護は受けられません。そのため、企業が大切な情報を管理する上では、同法上の「営業秘密といえるかどうか」という観点が非常に重要となります。

 また、同法により保護されるとしても、営業秘密は一度流出すると取り返しがつきません。そのため、営業秘密は流出しないことが一番重要です。これらのことをふまえ、どのように営業秘密を管理すればよいか考えてみましょう。

何を営業秘密とするか?

 営業秘密の要素として、最も重要なものが、…

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本間 由也

こだまや法律事務所 代表弁護士 /税務調査士

1982年生まれ。2004年明治学院大学法学部法律学科卒業、2007年明治学院大学法科大学院法務職研究科法務専攻卒業。翌2008年に司法試験合格。紀尾井町法律事務所での勤務を経て、2011年1月法テラス西郷法律事務所初代所長に就任。2014年2月こだまや法律事務所を東京都国分寺市に開所、現在に至る。

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