とはいえ、うまく回らないケースもあります。従業員に割り振られた役回りがその人に適しているのであれば問題はありませんが、「この人にこの仕事は向かないのでは……」「もっと別の役回りがあるのでは……」と思ってしまうような、適性に合わない無理な仕事をしてしまっているケースがあるでしょう。この場合は、従業員に適した仕事を回すことで、気持ちよく仕事でき、業務効率化も図れるでしょう。
そこで今回は、「本当はどんな仕事が向いているのか」を知るための心理テストを紹介します。部下はもちろん、同僚や自分に適した職種や業務を知り、これからの仕事に役立ててみてはいかがでしょうか。
質問文ではあえて「みんなで話し合って決める」「割り当てられる」と表記しましたが、この設問で選ぶ役割は、結果的に自身が「やりたいこと」、そして「才能がある分野」と深層心理で感じていることが多くなります。以下、詳しく見てみましょう。…
【1】俳優:「営業」「広報」など、人前で話す業務が向いている
俳優を選んだ人は、基本的には人前で話すことが苦ではないタイプです。どちらかといえば縁の下で支える仕事よりも、人前でプレゼンをしたり、顧客に説明やレクチャーをしたりすることを楽しいと感じる傾向にあるといえるでしょう。また、1人でコツコツと行う仕事よりも、華やかな業務、人との会話が重要になってくる仕事のほうがやりがいを感じるタイプです。
ですから営業や広報など、人と会話する仕事、人前で話す機会が多い業務が向いているでしょう。他にも、教師や塾講師など大勢の前で話をする職業や、人と接する機会が多い広告会社などの仕事も適性があるといえそうです。逆に、社内で地道に1人で行う作業を割り当ててしまうと、フラストレーションをためてしまうかもしれません。
【2】脚本:「経理」「人事」など陰の実力者
脚本担当を選んだ人は、あまり表に出ることが好きではないタイプです。どちらかというと、表に誰かを立たせておいて、自分が裏から指示をして、人を動かしていくことを好む傾向にあります。“陰の実力者”という位置付けになります。
地道な作業やコツコツと積み上げていくような仕事、数字を扱う仕事も適しているため、経理業務は特に向いているといえるでしょう。同様に、銀行員、税理士、ファイナンシャルプランナーなどのお金を扱う仕事にも適正があるといえます。また冷静で客観的に人を見ることもできるため、人事業務も向いているでしょう。
【3】監督:全体を俯瞰(ふかん)して見る「管理職」
監督という役割を選んだ人は、全体を見渡すことが得意なタイプで、細部にこだわるよりも、全体のバランスを取ったり、物事がきちんと進んでいるかどうかを気にしたりする傾向にあります。また、単独で仕事をするよりも、チームプレーを得意とします。若くして頭角を現すマネジャーや管理職は、もしかしたらこのタイプかもしれません。
基本的には人の上に立ち、プロジェクトの遂行を第一と考える人です。管理職はもちろんのことですが、さらにその上の役員や社長となる風格も備えています。組織の一員としてだけではなく、独立し起業家となっても、人をうまく使い、成功を収めるタイプといえるでしょう。
【4】大道具:「一般職、事務、秘書」などサポート役
大道具を選んだ人は「脚本」と同様、自分がプレーヤーとして表に立ちたくない気持ちが強い傾向にあります。その半面、人の役に立ちたい、サポートをしたいという考えを持っている人です。一般職や事務といった、縁の下の力持ち的なサポート役が向いています。社長や役員の秘書業務も得意でしょう。
真面目で責任感があるため、困難な仕事も自分の力の限り頑張って、しっかりとやり遂げる忍耐力もあります。ただ、基本的に表に立つことを好まないため、人と密に関わるような業務は、精神的な負担になる可能性もあります。接客業や営業などはあまり向いていないかもしれません。
世の中にはたくさんの仕事があり、そして業種もさまざまです。この心理テストを行ってみて、新たな一面に気付くことがあるかもしれません。1人ひとりがビジネスシーンで活躍していくために、一度立ち止まり、部下、そして自分自身の適性をあらためて見つめ直してみてもいいかもしれません。