出張で楽しみたいおひとり様グルメ(第40回)ビール文化を育む横浜で至福の「ビアランチ」

雑学

公開日:2019.08.30

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瀬谷の小麦ビール(平日ランチ値段Mサイズ/600円、Lサイズ/800円)

 残暑の季節、仕事終わりにはビールをぐっと飲み干したくなります。出張先で、その土地のクラフトビールを見かけたら特にそう思いませんか。そこで、昼間に飲むビールと、ビールに合うランチを探しました。

 今回紹介するのは、横浜・馬車道にある「驛(うまや)の食卓」というビアレストランです。開店したのは1999(平成11)年4月。ブルワリー(醸造所)が稼働したのがその年の7月で、以来ブルーパブとして営業を続け今年で20年になります。

地元・神奈川の生産者をつなぐ「驛の食卓」

 驛の食卓は横浜ビールの直営店で、90年代後半に起きた地ビールブームを乗り越えて現在に至ります。数々の賞を獲得しているビールのラインアップはバリエーションが豊富。「地元のビールを地元の食材と共に地元の方々へ」という店のコンセプト通り、作り手の顔が見えるメニューづくりを続けていて来店客を飽きさせない工夫を感じさせます。

「驛の食卓」の1階はブルワリーとビアカウンター、2階がレストランになっている。ガラス越しのブルワリーをのぞきながら味わうビールは格別

 ランチビールに選んだのは「瀬谷の小麦ビール」(平日ランチ値段Mサイズ/600円、Lサイズ/800円)です。このビールは、横浜市瀬谷区「岩﨑農園」の小麦を使用した純神奈川産のウィートエールで、横浜ビールが生産しているレギュラービールの1つです。失礼ながら横浜に小麦の生産農家があるとは、このビールと出合うまで知りませんでした。かつての瀬谷区は国産小麦の生産が多い地域であり、そういうことも含めて知ってほしいという農園の意思をくんで瀬谷の小麦ビールが誕生したといいます。

 飲んでみると口当たりが優しく、苦味控えめ。濃い味の料理や香りの強い料理と合わせてケンカしない、食前・食中酒として最適なビールだと思います。ランチメニューからは、ビールと同じく岩﨑農園の全粒粉小麦を使用した生パスタの「王道ナポリタン」(800円)を選びました。

スープとサラダ、ソフトドリンク付きで800円の「王道ナポリタン」

 玉ねぎ、ピーマン、ソーセージという定番の具材を絡めた、まさに“王道”のルックスが食欲をそそります。ビールが練り込まれているというもちもちの太麺を、フォークでクルクルっといただきましょう。

 味付けの肝はトマトケチャップですが、この店のナポリタンは一味違います。横浜発国産トマトケチャップ第1号といわれる「清水屋トマトケチャップ(復刻版)」のまろやかな甘味と酸味、これに絶品ソーセージの香り、全粒粉小麦の味わいが一体となって、いつものナポリタンよりも深いコクを感じます。

 さらに、ナポリタンと一緒に添えられた調味料にもこだわりが!横浜市神奈川区で1857(安政4)年から営む「岩井の胡麻油」製の「ごま辣油」です。蓋を開けてふわっとごまのよい香りが広がるごま辣油は、驚くほどナポリタンにぴったり。まぜそばや汁なし担々麺とも異なる新境地。この組み合わせは、癖になりそうです。

地元のうまい物を組み合わせて提供する「驛の食卓」。料理に使っているケチャップやごま辣油は店頭で買える

スタッフが生産現場へ出掛けて見る目を養う…

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