デジタル化に向けた次の一手(第3回)部署別に解説!業務効率化の着眼点(前編)

業務課題 人手不足対策 経営全般

公開日:2024.02.29

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 デジタル技術を活用して企業を変革するDX。先行する企業の中にはすでに成果を上げる例も見受けられる。一方、DXを推進する専任の情報システム部門もなく、そもそもどのように取り組んでいいのか分からないという中堅・中小企業も少なくないだろう。DXというと敷居が高そうだが、日々の業務をデジタルで効率化することもDXの第一歩になる。

管理部門(人事、総務、経理)の主な着眼点

 業務効率化といっても、どこから始めればいいのか分からないという会社もあるだろう。比較的手を付けやすいのが定型的な業務が多い人事、総務、経理などの管理部門だ。かつてはパッケージシステムをオンプレミスで導入・運用するケースもあったが、近年は月額課金のサブスクリプション型で手軽にスモールスタートできる多種多様なクラウドサービスが提供され、導入しやすい環境が整っている。

 昔も今も、企業の重要な経営資源となるのがヒト、モノ、カネだ。まず、人にかかわる人事部門の業務から見てみよう。人事部門では、経営方針・経営戦略に基づく人材計画の立案、定期・中途の採用活動、入社・退社手続き、教育・研修、異動、評価、能力開発、勤怠管理、社会保険などの労務管理といった多様な業務を担う。

 人材不足が深刻化する今日、優秀な人材の採用・定着や、目標達成に向けてそれぞれの能力、パフォーマンスを最大限に引き出す取り組みも重要な役割となる。社員の能力やモチベーションを引き出し、主体的に行動できるようにする手段の1つとなるのがパフォーマンス管理だ。上司と部下が目標達成に向けて定期的に面談を行う1on1などを通じ、上司は部下が抱える問題・悩みなどの解消をサポートする。面談の支援や人事評価などが行えるパフォーマンス管理システムも提供され、社員の成長を促すとともに人事評価などにかかわる公平性の確保と業務の効率化も可能だ。

 また、給与計算や勤怠管理、社会保険、年末調整といった労務管理も人事部門の大切な仕事になる。人事データと連携して給与計算や給与明細の自動作成が可能なサービスや、社会保険や雇用保険などの手続きをWebで行い、入力作業を効率化するクラウドサービスもある。Web申請で集められた人事データを活用して人材採用や配置計画などに役立てるといった使い方も可能だ。

総務部門の主導でクラウドストレージを活用するという選択肢も…

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執筆=山崎 俊明

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