IT時事ネタキーワード「これが気になる!」(第105回)Windows 10のサポート期限に注意。2025年まで使うには?

IT・テクノロジー パソコン

公開日:2022.09.30

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 以前このコラムで、Internet Explorer(以下「IE」と略)のサポート終了について紹介した。WindowsをはじめとするOS、IEのようなアプリなどのソフトウエアは、セキュリティ向上や使い勝手の向上、不具合修正などのためにバージョンアップを重ねるが、OSやアプリ自体が違うエディションでスタートするなどの理由により、販売など提供が終了してしまうことがある。

サポートは2025年10月14日まで。条件次第で今年で終了の可能性も

 これらソフトウエアは基本的に、提供が終了してもしばらくはセキュリティ更新プログラムなどのサポートは行われる。ただし、それも終了してしまうと、使い続けることができなくなる。

 最新のWindows 11が約1年前にリリースしているものの、いまだに広く使われているのがWindows 10だ。リリースは2015年、その一般向けのHomeとProのサポート終了は2025年とされる。なるべく使い慣れたWindows 10を使い続けたい、という人も多いだろう。Windows 11のリリース時から行われているWindows 10からWindows 11への無償アップグレードはハードウエアなどの条件が厳しく、アップグレードを諦めてWindows 10を使い続けるしかない場合もある。筆者も4台のWindowsパソコンのうち2台が無償アップグレードの対象から外れ、Windows 10を使い続けざるを得ない現状がある。

 しかし、Windows10でありさえすれば2025年まで使える、と安心していると、条件によっては使えなくなる可能性があるので、注意が必要だ。

利用を続けたい場合は今年12月13日までに「21H2」にアップデート

 先述のように、Microsoftは、Windows 10のサポートを2025年10月14日まで継続すると発表している。Windows 10のHomeおよびProの各バージョンのサポート期限は「ライフサイクル Windows 10 Home and Pro」から参照できる。

 これを見ると、Windows 10の「Version 20H2」は2022年5月10日、「Version 21H1」は2022年12月13日でサポートが終了されることになっている。一方、最新の「Version 21H2」は2023年6月13日、今後、最新の状態にアップデートし続ければ、おそらくライフサイクル終了まで、使い続けることができるだろう。

 結論を言うと、Windows 10でアップデート(Windows Update)を行っていないパソコンは、2022年中にサポートが終了し、危険な状態になる可能性がある。現状では、Windows 10を使っているユーザー全員が、少なくとも2022年12月13日までに、2021年11月リリースの「21H2」にアップデートしておく必要がある。

バージョン確認の方法とアップデート方法は?

 Windows 10で「設定」を開き、「システム」→「詳細情報」をクリック、「Windowsの仕様」からOSの情報をチェックできる。この中の「バージョン」が、「21H2」(もしくはそれ以降)であればOKだが、「21H1」「20H2」(もしくはそれ以前)であれば、2022年12月13日までに「21H2」(もしくはそれ以上)にバージョンアップ(更新)しておく必要がある。

 「設定」の「更新とセキュリティ」→「Windows Update」で「更新プログラムのチェック」を行い、表示された更新プログラムを「オプションの更新プログラム」も含めてすべてインストールしよう。インストールしたら、再びWindows Updateを開き、「更新プログラムのチェック」を押し、さらなる更新がないかチェック、あればインストールを行い、これを数回繰り返す。

 「Windows Update」で「最新の状態です」と表示されても、「更新プログラムのチェック」を押すと更新プログラムが表示されることがあるので、注意が必要だ。「更新プログラムのチェック」押しても更新プログラムがなく「最新の状態です」と表示されれば、とりあえず更新作業は終了だ。大型アップデートなどは、上記の作業から少し時間をおいて出てくる可能性もあるので、数日後に再びやってみよう。Windows 10を使い続けるために、「バージョン」が最新(執筆現在「21H2」)になるまで手動更新(上記の作業)を行う。これを12月13日までに終えておく。

 Windows 10では、バージョン21H2以降、Windows 10の機能更新プログラム(バージョンが変わる更新)は、年に1度、その年の後半にリリースされる。定期的な品質更新プログラムは月に1度、日本では基本的に毎月第2水曜にてリリースされ、さらに必要に応じてそれ以外のタイミングでもアップデートが行われる。なお、定期的に手動更新を行い、Windowsを常に最新に保つよう心がけるのが、安全上好ましいのは言うまでもない。

Windows 11が利用できるならアップグレード

 Windows 10をサポート終了日の2025年10月14日まで使ったのち、同じパソコンを使い続けたい場合、その後は次のエディションを有償で用意する必要がある。「リリースから10年」という近頃の流れによればWindows 11の終了(予定は)2031年、無償アップグレードが有効なうちにWindows 11にアップグレードしておくほうが有利といえる。

 Windows 11への無償アップグレードは、要件を満たしたWindows 10パソコンが対象となる。概要と方法はMicrosoft「Windows 11 無償アップグレード方法や条件を解説」が詳しい。このコラムでもチェック方法やアップグレード方法などを紹介しているので、参考にしてほしい。

 もし所有するWindows 10パソコンがWindows 11への無償アップグレードの対象で、まだアップグレードを行ってないなら、すぐに行うことをおすすめする。実はWindows 10のリリース時も対象ユーザーにWindows 10への無償アップグレードが行われたが、期限はリリースから1年後であった。もうすぐWindows 10のリリースから1年を迎える。ちまたでは「Windows 10の無償アップグレードが10月4日で終了する」という情報が行き交っているものの、Microsoftは有償化のタイミングを正式にはリリースしていない。

 Microsoftは「対象となるシステムに対する無料アップグレードに特定の終了日は設けていません。しかし、Microsoft は無料アップグレードに対 するサポートをいずれ終了する権利を留保します」と記述しており、1日も早いアップグレードをお勧めする。

※Internet Explore、Windowsは米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標、または商標です

※掲載している情報は、記事執筆時点のものです

執筆=青木 恵美

長野県松本市在住。独学で始めたDTPがきっかけでIT関連の執筆を始める。書籍は「Windows手取り足取りトラブル解決」「自分流ブログ入門」など数十冊。Web媒体はBiz Clip、日経XTECHなど。XTECHの「信州ITラプソディ」は、10年以上にわたって長期連載された人気コラム(バックナンバーあり)。紙媒体は日経PC21、日経パソコン、日本経済新聞など。現在は、日経PC21「青木恵美のIT生活羅針盤」、Biz Clip「IT時事ネタキーワード これが気になる!」「知って得する!話題のトレンドワード」を好評連載中。

【TP】

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