戦国武将に学ぶ経営のヒント(第77回)名言から学ぶ(5)戦国武将の戦(いくさ)論

歴史・名言

公開日:2021.10.18

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 戦国武将は領土を拡大するため、あるいは防衛するために同盟関係や政略結婚、養子縁組などさまざまな策を用いました。しかし、その中心になっていたのはやはり合戦、戦(いくさ)です。自らの運命を左右する重大な要素である戦について、武将は多くの言葉を残しています。

 人や組織は、モチベーションの持ち方によって発揮できる力が大きく変わってくるものです。戦国武将もこれを熟知していました。武田信玄の実弟であり、武田二十四将の1人として兄を支えた武田信繁は次のように言っています。「合戦が近くなったら、兵を荒っぽく扱え。兵はその怒りを戦いにつなげて、激しく戦うからである」。

 さすがに、現代の企業ではスタッフを荒っぽく扱って、怒りをためるようなことははばかられるでしょう。しかし、達成感のある目標の設定やリワード(報酬)の提示などでモチベーションを高めることはできます。「大きなプロジェクトが近くなったら、まずスタッフのモチベーションを高めるようにしろ。スタッフはその意欲を勤務姿勢に昇華して一層熱心に取り組むようになるからだ」。現代のビジネスに即すと、信繁の言葉はこのように解釈できそうです。

 意欲を高めるためとはいえ、何事も精神論に持っていくのは精神万能論に陥る可能性があって危険です。しかし、戦に臨む際には気の持ち方が重要であると天下人・豊臣秀吉は指摘しています。「負けると思えば負ける、勝つと思えば勝つ。逆になろうと、人には勝つと言い聞かすべし」。

 もちろん秀吉も、勝つと思えば必ず勝つとは考えていなかったでしょう。ただ、人間はイメージに大きく左右される側面があります。負けるイメージを持っていると、そのイメージに行動が引っ張られやすくなり、負ける確率が高くなってしまいます。反対に勝つイメージを持っていると、勝つ方向に行動が向きやすくなる。秀吉の言葉は、そんな意味として捉えられるのではないでしょうか。

 新規顧客の開拓や新しいプロジェクトへの取り組み、新規事業の立ち上げなど、ビジネスは未知への挑戦の連続です。リスクの考察は大切ですが、成功に導くのは失敗するイメージではなく、成功するイメージなのでしょう。

官兵衛、謙信、信玄に習う勝ち戦とビジネス成功への共通要素…

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