ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2019.06.26
中小企業・小規模事業者における生産性向上を図るため、ITツール導入費(ソフトウエア費用や導入関連費)の2分の1を補助する、「IT導入補助金2019」(平成30年度補正サービス等生産性向上IT導入支援事業)という制度があります。2018年度もIT導入補助金はありましたが、今年度は補助金額が拡大され、より高度なITツールの導入が可能となりました。
補助金を利用したITツールの導入は、自社の生産性を向上させることから、人材不足の解消につながります。ただし、申請期間が非常に短くなっておりますので、これを機会に利用を検討してはいかがでしょうか。補助金で導入できるITツールは、帳票などの情報をパソコンに入力するといった定型業務を自動化するソフトウエアや、顧客情報を一元管理するシステムなど多岐にわたります。
業種によってさまざまなITツールの導入が考えられます。例えば卸・小売業向けとしては、個別に管理していた受発注管理や在庫管理、売上管理を自動的に連携できるようにするシステム。宿泊業なら、自社システムと外部の宿泊予約サイトへの空室情報更新を一元管理するシステム。保育・介護業なら、帳票などの書類作成や、申し送りといった顧客・勤怠情報の共有が事務所外から可能になるシステム。運輸業なら、配送伝票をシステムに自動で取り込み、効率的な配車計画を組んでくれるシステムといった具合です。
中小企業・小規模事業者は、Webサイトの開設や、会計・決済システムの導入レベルはなんとか実行しても、さらに踏み込んで自社の業務フローを効率化するようなITツールの導入にはなかなか至りません。導入資金はもちろん、ITに関する知識やノウハウが必要という点で、難易度が高いというハードルを事業者に感じさせるケースがありました。この補助金は、そうしたハードルをクリアすることにつながるコンサルティング費なども補助してくれる制度なのです。
今年度の補助金で対象となるITツールには、メインとなる「ソフトウエア」に加え、「オプション」と呼ばれるソフトウエアの機能拡張・データ連携ツールなどや、「役務」と呼ばれるソフトウエアの導入コンサルティング費・保守サポートなども含まれています(図1参照)。
■図1
ご覧の通り「ソフトウエア」については、「業務パッケージソフト」「効率化パッケージソフト」「汎用パッケージソフト」という3つに大別されています。その中で主体となるものが業務パッケージソフトです。これをプロセス(部門)によって8つに細分しています。
プロセス(部門)ごとに対象となるソフトウエアが定められており、例えば「決済・債権管理・資金回収管理」プロセスについては、売上・売掛から回収までを管理するソフトウエアや債権管理ソフトウエアなどとされています。他プロセスの対象となるソフトウエアの詳細については、「ITツール登録についての注意点」を参照してください。
「オプション」とは、ソフトウエア導入に伴い必要となる製品・サービスのことで、「拡張機能」「データ連携ツール」「セキュリティ製品」「ホームページ関連費」からなります。ホームページ関連費は、業務パッケージと連携したものでなければ補助対象にならないので注意が必要です。
「役務」とは、ソフトウエアの導入に伴って必要となる費用で、具体的には、そのソフトウエアの導入コンサルティング費用、導入研修費用、保守サポート費用(最大1年間の費用)などのことをいいます。
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執筆=並木 一真
税理士、1級ファイナンシャルプランナー技能士、相続診断士、事業承継・M&Aエキスパート。会計事務所勤務を経て2018年8月に税理士登録。現在、地元である群馬県伊勢崎市にて開業し、法人税・相続税・節税対策・事業承継・補助金支援・社会福祉法人会計等を中心に幅広く税理士業務に取り組んでいる。
https://namiki-kaikei.tkcnf.com/
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