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公開日:2020.10.19
新しい資金調達の方法として「オンラインレンディング」(オンライン融資)が、注目を集めています。今回は、このオンラインレンディングの特徴やメリット・デメリットについて解説します。
従来の融資サービスは原則、金融機関などの窓口に資料を持参し、申し込みや申請を行う必要がありました。それに対してオンラインレンディングは、オンライン上ですべての手続きが完結する融資サービスです。銀行口座の入出金記録などを基に人工知能(AI)が与信モデルを作るため、従来の融資サービスと比べてスピーディーに資金を借りられる点が特長です。
オンラインレンディングが注目され始めた背景には、インターネットの普及により、さまざまなデータを収集し、分析できるようになったことがあります。さらにAIが進歩して、精度の高い与信分析を行える環境が整ってきたこと、オンライン決済やキャッシュレス化の流れが進んでいることも要因と言えるでしょう。
これまでの融資サービスは、決算書による審査が一般的でした。一方、オンラインレンディングでは、銀行口座の入出金に関する履歴や、売買取引や決済状況、発注状況、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)のデータなどを基にして審査を行います。決算書は審査に不要となりますが、銀行の場合は一定期間口座があり、融資契約をしていない法人が対象となるなど、利用に関して一定の制限を設けている場合があります。
オンラインレンディングのメリットは、従来の融資サービスと比較して、申し込みから融資実行までが非常に早い点にあります。銀行などが提供する融資制度では、審査のために多くの資料を用意しなければならない上に、融資実行までに数カ月かかることも珍しくありません。さらには、保証人や担保が必要となることもあります。対してオンラインレンディングで用意すべき資料は、日々の会計データや銀行の入出金記録など限られたもので、融資実行までの審査も早く、保証人や担保が不要になることもあります。
また、従来の融資サービスは、設立後間もなく中長期の事業実績がない中小企業や個人事業主などの場合、審査が通りにくい傾向がありました。一方、オンラインレンディングでは日々の会計データや銀行の入出金記録などを基にAIが判断を行うため、設立からそれほどたっていなくても、その間に日々、しっかり実績を上げている中小企業や個人事業主にとっては資金調達の可能性が広がるでしょう。また、金融機関にとっても、審査のためのコストを削減できるというメリットがあります。
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執筆=河野 雅人
公認会計士・税理士
新宿区に事務所を構えている。主に中小企業、個人事業主を会計、税務の面から支援中。
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