IT時事ネタキーワード「これが気になる!」(第150回)レジのない店舗はもうすぐ?「ウォークスルー型スマートストア」の実証実験中!

時事潮流 デジタル化

公開日:2024.09.30

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 最近よく聞く「スマートストア」という言葉だが、「セルフレジ、スマートフォン、スマートカメラ、電子タグ、AIなどのIT技術を活用して、人手不足解消、業務効率化、顧客データの収集などをはかる店舗のこと」をいう。

 買い物でムダ、イライラする、と思うのが、レジ待ちの時間とレジ処理の時間だろう。混んでいるスーパーなどの買い物は、レジ周辺だけで数十分近くかかることもあり、「この時間がなかったら」といつも思う。自分で買い物かごの商品のバーコードを読み込む「セルフレジ」なども普及し、便利になってきた。店舗貸し出し用スマホやアプリを入れた自身のスマホを使い、買い物しながら商品のコードをスキャンして専用レジで支払いを行うイオンのスマートストアシステム(例「どこでもレジ レジゴー」)も全国的に使えるようになってきた。

 ただ、筆者自身の経験でもあるのだが、こうしたイマドキの買い物方法に関しては、レジ素人である自分の操作がおぼつかないなど筆者同様操作に慣れない顧客も多くセルフレジがなかなか空かないなどで、思ったほどははかどらないこともある(購買点数が少なく、レジががら空きという条件ならいいのだが…)。また、前述のレジゴーの使い方動画を見るにつけ、「スマホの操作が速やかに行えるか」とか、「バーコードのない商品は?」「個数の多い商品の場合は?」など覚えることも多そうで、慣れるまでに回数を重ねる必要がありそうだ。

商品を手に取ればそのまま買い物完了。「ウォークスルー型」スマートストアとは?

 一般的に「スマートストア」=「無人店舗」ともいえるわけで、人件費をなるべくかけずに運営する目的のため「省人化店舗」ともいわれ、こうした店舗形態には3種類あるとされる。以前この連載の「最近増えつつある無人店舗。その意図と使い勝手は?」でも紹介している。1つ目には、自動販売機を置く「自動販売機型」、2つ目は顧客が自分で商品を選びセルフレジで決済する「セルフレジ型」、そして3つ目には顧客がゲートから入場し、店内で商品を選んだ後、レジを通らず店を出ることができる「ウォークスルー型」だ。

 筆者の利用するセルフレジ店舗や、イオンのレジゴーは「セルフレジ」型に入る。ただし無人店舗の形態のうち、最も「スマート」に感じるのは「ウォークスルー型」だと思う。電車の時間が迫るときなど、ウォークスルー型店舗で飲み物などを調達できたらいいなと思うことは多いが、まだそれほどは普及していない。

 ただし、ウォークスルー型店舗は、顧客が買ったものを自動判別するためのAIやカメラシステム、専用のスマホアプリ、認証機能付きゲートシステムなど、最新のテクノロジーと設備にコストがかかるのがデメリットとされてきた。顧客にとってかなりありがたい一方、店側は(コスト問題などで)実現や維持が難しいとされる。そんな折、「ウォークスルー型」店舗の実証実験が行われているというニュースが話題を集めた。プレスリリースには「手に取った商品をそのまま持ち帰ることのできる」とある。これが実現すれば、かなり助かりそうだ。

 今回はこうした話題を中心に、スマートストアの現在とこれからを掘り下げていきたい。

仕組みとシステム。QRをかざし入店、商品を手に取りそのまま退店。時短で買い物が可能に…

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執筆=青木 恵美

長野県松本市在住。独学で始めたDTPがきっかけでIT関連の執筆を始める。書籍は「Windows手取り足取りトラブル解決」「自分流ブログ入門」など数十冊。Web媒体はBiz Clip、日経XTECHなど。XTECHの「信州ITラプソディ」は、10年以上にわたって長期連載された人気コラム(バックナンバーあり)。紙媒体は日経PC21、日経パソコン、日本経済新聞など。現在は、日経PC21「青木恵美のIT生活羅針盤」、Biz Clip「IT時事ネタキーワード これが気になる!」「知って得する!話題のトレンドワード」を好評連載中。

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