ニューノーマル処方箋(第46回)IPAが警告「遠隔操作ソフト」を使った詐欺の防ぎ方

業務課題 ネットワーク機器 脅威・サイバー攻撃

公開日:2024.07.10

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<目次>

・「遠隔操作」技術を悪用した詐欺が増加中

・広告の「簡単に稼げる副業」は、遠隔操作詐欺の入り口!?

・偽のセキュリティ画面も、遠隔操作詐欺の一環!?

・怪しいと思ったら、ネットワークを遮断しよう!

「遠隔操作」技術を悪用した詐欺が増加中

 「遠隔操作ソフト」または「遠隔操作アプリ」というものをご存じでしょうか。これは、遠隔地にあるパソコンやスマートフォンを監視・操作するためのソフトウエアで、主にパソコンメーカーや通信事業者が、ユーザーが操作法を見失った際のサポートを行うために使用するものです。

 しかし、この遠隔操作ソフトを悪用し、金銭をだまし取られる詐欺事件が増えているようです。

 IPA(独立行政法人情報処理推進機構)は2023年、偽のセキュリティ画面に表示された番号に電話を掛けると、パソコンやスマートフォンに遠隔操作ソフトをインストールさせられ、端末を遠隔操作された結果、お金をだまし取られるという事件が発生していることを、ホームページにて発表しました。遠隔操作中に不審な動きが見られた場合には、無線LAN機能をオフにするなどで、ネットワークをすぐに切断するよう訴えています。

 遠隔操作ソフトを悪用した詐欺の手口とは、どのようなものなのでしょうか? IPAの資料から読み解きます。

広告の「簡単に稼げる副業」は、遠隔操作詐欺の入り口!?

 同資料によると、遠隔操作ソフトを悪用した詐欺は、大きく分けて2つのルートからスタートすることが多いようです。

 1つ目が、ユーザー自ら詐欺業者の“ウマい話”に申し込んでしまうルートです。

 詐欺業者は、WebやSNS上に「簡単に稼げる副業」等といった詐欺広告を掲載しています。この内容に興味を持ったユーザーが詐欺業者に連絡をすると、業者側は「契約に必要なソフトがある」「副業に必要なソフトがある」と、ユーザーのスマートフォンに遠隔操作アプリのインストールを強要します。

 その後、ユーザーが遠隔操作アプリを起動し、遠隔操作接続のために必要な接続識別番号(ID)を業者に伝え、業者側からユーザーのスマートフォンに対し、遠隔操作接続のリクエストが送られます。これをユーザーが承諾することで、端末の遠隔操作ができる状態が整います。

 業者側はユーザーに対し、「副業を始めるためには、マニュアルを購入する必要がある」と、複数の消費者金融から生活費の名目で借入申請するように指示します。この借入申請の操作は、遠隔操作アプリにより、まるで対面しているかのようにきめ細かい指示が行われるといいます。

 消費者金融の審査を通過し、お金がユーザーの銀行に振り込まれたら、業者側は自分の口座に振り込むよう指示します。これで、遠隔操作詐欺が成立します。

副業詐欺で遠隔操作アプリを悪用しているイメージ
出典:IPA 「遠隔操作ソフト(アプリ)を悪用される手口に気をつけて!」

 

偽のセキュリティ画面も、遠隔操作詐欺の一環!?…

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