個人事業主、小さな会社の納税入門(第27回)会社の「接待交際費」の取り扱い

資金・経費

公開日:2024.10.03

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 前回は、個人事業主の接待交際費の取り扱いや注意点について解説しました。今回は、オーナー社長などの会社が取り扱う接待交際費について、税法上の規定を解説します。

 接待交際費は、取引先など事業に関係のある会社の人を会食などでもてなしたり、お中元やお歳暮などで金品をふるまったりした際の費用に用いる勘定科目です。国税庁によると、「交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その事業に関係のある者などに対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為(以下「接待など」といいます)のために支出するものをいいます」と定義されています。

 このため、接待交際費は「事業に関係のある支出」であり、全額経費になると考えているかもしれませんが、税法上、法人の接待交際費は原則として損金不算入、いわゆる経費で落とせないものとされています。つまり、会計上は経費処理したとしても、税金の計算をする際には経費にできないわけです。ただし、この損金不算入の原則には特例があり、会社規模に応じて接待交際費を一定額まで経費計上できると認められています。

 会社の規模については、①資本金が1億円以下の法人、②資本金が1億円超100億円以下の法人、③資本金が100億円超の法人と、資本金の額で分けられており、それぞれの区分によりどこまでを経費に計上できるかが定められています。今回は①の資本金が1億円以下の法人について解説します。

 資本金が1億円以下の法人の場合は、次の(1)(2)のいずれかの金額を接待交際費として経費に計上できます。

(1)支出した接待交際費のうち「接待飲食費」の50%相当額
(2)支出した接待交際費の金額のうち年間800万円までの金額

 (1)の「接待飲食費」は、支払った接待交際費のうち、取引先の接待などにかかった飲食費となりますので、取引先へのお中元やお歳暮などの費用は含まれません。

 (1)(2)のどちらを選択するかは各社の任意となります。「接待飲食費」も含めて年間の接待交際費が800万円以下であれば、2を選択して全額を経費にできます。反対に、800万円を超える接待交際費額があったとしても、800万円までしか経費として認められません。このように、会社の接待交際費は原則として経費にはなりませんが、特例により、会社の規模に応じて経費計上できる上限額などが規定されています。

「接待交際費」と「会議費」の違いに要注意…

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