事例で考えるクラウドストレージ(第6回)導入・運用時の困り事も充実したサポート窓口で解決

クラウド・共有

公開日:2023.03.29

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 西日本の豊かな自然に恵まれた漁港にあるF漁業協同組合。組合員向けに漁船の燃料や漁具、保険などを取り扱い、仕入れや販売データなどは組合のパソコンで管理、保管してきた。しかし、パソコンのディスク障害によるデータ消失リスクがあり、BCP対策として外部の記憶装置やクラウドサービスを利用するデータ保管方法を検討することになった。

 NASとクラウドストレージのメリットとデメリットを比較検討した結果、クラウドストレージを採用。決め手は、強固なセキュリティを保つ国内データセンターでデータが保管される点や導入から運用まで困った時に頼れるサポート窓口が充実していることだ。組合ではデータの保管のみならず、職員が外出時や自宅など事務所外から安心してクラウドストレージへアクセスできるようになり、他の漁業協同組合に先駆けて働き方改革を進めている。

ノートパソコンに保管した取引データが消失するリスク

 F漁業協同組合は、瀬戸内海で捕れた新鮮な魚介類を関西や首都圏に届け、飲食店や消費者から高い評価を得てきた歴史を持つ。組合では地域の漁業活性化や組合員の仕事と生活に役立つさまざまな事業を展開してきた。他の組合と同様に漁船の燃料や漁具などのあっせん・販売や事業資金の貸し付け、保険の取り扱いなどはその一例だ。

 例えば、燃料の受発注は燃料会社など取引先とメールや電話、FAXを使ってやり取りされ、取引データは帳簿に記帳する他、職員がノートパソコンに入力し管理してきた。しかし、F漁業協同組合の職員数は数名のためできるだけ業務を効率化したい。そこで、帳簿への記載からデータで一元管理する方法へと仕事のやり方を変更することにした。

 ここで問題になったのがデータの保管方法だ。職員のノートパソコンにデータを保管しているが、ノートパソコンが故障してデータが消失したり、盗難・紛失で情報漏えいしたりするリスクがある。また、漁業協同組合は漁港にあり、自然災害などで組合事務所が被害に遭うリスクもないとは言えない。

 そして、BCP対策の観点から、データ保管先としてNASまたはクラウドストレージの導入をIT事業者から推奨されたこともあり、それぞれのメリット、デメリットを比較検討することになった。

BCP対策や安心感のあるクラウドストレージを採用…

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執筆=山崎 俊明

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