ビジネスWi-Fiで会社改造(第42回)
建設・土木の働き方を変えるビジネスWi-Fi
公開日:2025.01.17
2024年11月1日より改正道路交通法が施行され、自転車の酒気帯び運転についても、罰則が適用されることになりました(第117条の2の2第1項第3号〔罰則〕、第65条第1項〔酒気帯び運転の禁止〕)。また、自転車の酒気帯び運転をする恐れのある者に酒類を提供しまたは飲酒をすすめた者にも罰則が適用されます(第117条の3の2第2号〔罰則〕、第65条第3項〔酒類提供罪〕)。
コロナ禍を契機とした健康志向の高まりにより、近時、自転車通勤は増加傾向にあるようです。また、以前から通勤の全部ではなく、最寄りの駅まで自転車を使っているケースは少なくありません。
企業が従業員の自転車通勤を導入する場合の進め方と注意点は、本連載においてすでに取り上げました(企業における自転車通勤導入の進め方と注意点)。今回、自転車の酒気帯び運転について罰則が適用されるようになり、企業にとって思わぬリスクを生じさせる恐れがあります。忘年会、新年会、送別会、プロジェクトの打ち上げ会など会社組織として開催する酒類を提供する行事があるときは、特に注意が必要です。
そこで今回は、自転車の酒気帯び運転、ほう助、それに対する罰則について定めた改正道路交通法の概要について説明します。あわせて本改正による企業にとってのリスクやリスクを避けるための注意点について解説します。
冒頭に述べたとおり、改正道路交通法では、自転車の酒気帯び運転についても、罰則が適用されます(第117条の2の2第1項第3号〔罰則〕、第65条第1項〔酒気帯び運転の禁止〕)。
これまでも、飲酒して自転車を運転することは禁止されていましたが(第65条第1項)、処罰の対象とされたのは、酩酊(めいてい)状態(アルコールの影響により正常な運転ができない恐れがある状態)で運転する「酒酔い運転」のみでした(第117条の2第1項、5年以下の懲役または100万円以下の罰金)。
しかし、今回の改正により「酒酔い運転」に至らない「酒気帯び運転」についても、罰則の対象となりました(第117条の2の2第1項第3号、3年以下の懲役または50万円以下の罰金)。酒気帯び運転とは、血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラム以上または呼気1リットルにつき0.15ミリグラム以上のアルコールを身体に保有する状態で運転することをいいます。
これは、自転車を酒気帯び状態で運転した際の交通事故が死亡・重傷事故となる場合が高いことから、罰則の対象を「酒気帯び運転」にも広げて、自転車による交通事故の抑止を目的としたものです。
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執筆=上野 真裕
中野通り法律事務所 弁護士(東京弁護士会所属)・中小企業診断士。平成15年弁護士登録。小宮法律事務所(平成15年~平成19年)を経て、現在に至る。令和2年中小企業診断士登録。主な著作として、「退職金の減額・廃止をめぐって」「年金の減額・廃止をめぐって」(「判例にみる労務トラブル解決の方法と文例(第2版)」)(中央経済社)などがある。
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