ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
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公開日:2021.03.19
新型コロナウイルス感染症の拡大は登山の世界にも大きな影響を及ぼしました。ワクチンの接種が始まり、収束が期待されているものの、引き続きの感染予防対策が必要ともいわれています。これからの山登りはどのようになるのか、シーズンを前に考えてみましょう。
緊急事態宣言が発令されたこと、移動の自粛が求められたことなどにより、山を訪れる人も大きく減りました。登山は自然の中で行うものですが「山へ向かうための移動手段が問題」「混雑する山小屋が密になる」「医療機関が逼迫する中、山でケガした人の対応が困難」など、さまざまな意見が出され、昨年の緊急事態宣言中は登山も控える動きが広がりました。秋になると登山者は増えましたが、長距離の移動や、宿泊を伴う登山は自粛している人もいて、紅葉シーズンも例年のようににぎわうことはなかったようです。
大きな影響を受けたのは、何といっても山小屋でしょう。昨シーズンは営業を断念したり、開設期間を短縮、宿泊者を減らしたりするなど営業規模を縮小せざるを得なかった施設が大半でした。第61回「新しい生活様式を模索する山小屋」でも紹介しましたが、利用者が激減した山小屋では、厳しい経営状況下とはいえ感染予防対策を採りつつ、存続のための努力を続けています。
山小屋は、緊急時の避難先という役割があり、予約なしでも泊まれる施設が多かったのですが、宿泊者数を管理する必要があるため、コロナ禍では原則、予約制となりました。しかし、ここにも街中の宿泊施設とは違う困難があります。登山は気象の影響を大きく受けるため、悪天候時は中止をせざるを得ません。大雨が予想されるときは、予約が軒並みキャンセルとなりますが、それに対するキャンセル料の請求は予約者から理解を得難い現実があります。
また、最近は山深いエリアにまで携帯電話の電波が普及しているものの、場所によってはまだインターネットに対応できない山小屋もあり、予約やキャンセルの電話対応だけでも大きな負担となっています。このように、さまざまな課題点はありますが、現状では予約は必須であり、今後も予約をした上での登山が定着していくでしょう。
予約制の動きは山小屋だけでなく、テント指定地の利用でも事前の問い合わせが必要なところが増えています。週末や連休は山小屋やテント指定地の利用者が集中するため、希望の日に宿泊するためには数カ月前から登山を計画し、予約しておくということも必要となるかもしれません。以前のように天気や花の咲き具合、紅葉の進み具合に合わせて、好きなときに出掛ける気軽な山行が難しくなることも考えられます。
また、山小屋では以前はスタンダードだった相部屋は徐々に減り、個室化が進んでいます。スペース確保に伴って、今までより少ない宿泊者しか迎えられないことから、宿泊料金の値上げを検討している施設もあります。また、一部の山小屋は素泊まり(食事の提供なし)での営業も検討しています。素泊まりの場合は、各自で食料や炊事用具を持って行かなければならず、これまでより登山者の負担は大きくなるでしょう。今年度の営業形態については、現在、それぞれの山小屋で検討が重ねられているところです。最新の情報を入手して、山へ向かうようにしましょう。
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執筆=小林 千穂
山岳ライター・編集者。山好きの父の影響で、子どもの頃に山登りをはじめ、里山歩きから海外遠征まで幅広く登山を楽しむ。山小屋従業員、山岳写真家のアシスタントを経て、フリーのライター・編集者として活動。『山と溪谷』など登山専門誌に多数寄稿するほか、『女子の山登り入門』(学研パブリッシング)、『DVD登山ガイド穂高』(山と溪谷社)などの著書がある。現在は山梨で子育てに奮闘中。
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