強い会社の着眼点(第19回)
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公開日:2019.06.18
「PDCAサイクル」は、ビジネスパーソンであれば誰もが知るキーワードです。令和元年の新社会人も、研修などで学ばれたのではないでしょうか。
簡単におさらいすると、PDCAサイクルとは「計画(Plan)」「実行(Do)」「検証(Check)」「改善行動(Action)」を繰り返すことで業務を改善する手法です。この一連の流れを継続的に行うことで仕事の質が向上していきます。実はコレ、ゴルフの上達においても応用できる考え方なのです。今回は、PDCAサイクルをグルグル回してゴルフの上達を図る方法をお伝えしましょう。
まずはコースプレーにおけるPDCAについて考えてみましょう。コースを攻める際、ホール全体のレイアウトを把握し、ピンポジションから逆算して、そのコースをどう攻めるかという計画(P)を立てます。例えば、コースの右サイドがOBで、安全に左サイドを狙うという方針を立てたとします。そして実際に打った結果(実行=D)、ボールは思ったよりも大きく左に曲がり、フェアウェイ左にあるサイドバンカーに捕まってしまった……としましょう。
そこで、左のバンカーに捕まった原因を検証(C)します。
・右のOBを警戒し過ぎた結果、本来狙う場所よりも左を狙ったからかも知れません。
・サイドバンカーに入るリスクを見落とした。つまり、リスクマネジメント不足が原因かも知れません。
前者であれば、ターゲットに対して正しくセットアップしているかを確認するという改善(A)が必要でしょう。
後者であれば、バンカーに入るリスクがあることを想定し、仮にボールが左に飛んだとしても、左のサイドバンカーまで距離的に届かない番手(クラブ)を選択するといった改善方法も考えられます。
検証結果によってその改善方法は変わってきますが、いずれにせよ、次に同じようなシーンに出くわしたときに、同じ戦略上の失敗をしないよう、PDCAサイクルを回すことが肝要です。
このときに気を付けてほしい点は、検証して改善するべきはあくまでコース戦略の仕方であって、スイングのフォームや技術のことではありません。なぜなら、コースプレー中にフォームやスイング技術をあれこれ考えたり修正を施したりするのはマイナス要因になってしまうからです。
ビジネスシーンで例えると……プレゼンの場で、場の雰囲気によってアドリブを利かせることはあっても、スライドの構成まで変更する人はいませんよね。それと同じです。フォームづくりやスイング技術の向上は普段の練習で行うこと。コースプレーでは、どうすればベターなスコアで上がれるのかに絞って、ゲームに集中しましょう。コース戦略の考え方は、第21回『悲観的に準備し、楽観的に行動すればゴルフは易しい』を参考にしてください。
次に、練習におけるPDCAサイクルの回し方について考えてみましょう。
上記のように、コースプレーでは、安定したフォームやスイングがあってこそ。練習場では、まず、自身の理想のスイングを明確にイメージすることを計画(P)と位置付けます。次に、理想のスイングがイメージできたらクラブを振ってみる(D)。そして、現状のスイングとのギャップを検証(C)し、修正する(A)。つまり、練習におけるPDCAサイクルとは反復練習そのものです。ただ漫然と練習するのではなく、こうしたサイクルを意識しながら練習を積み重ねていくことが上達への近道なのです。
では、自身の理想とするフォームやスイングは、どうやって見つけたらよいと思いますか。
答えは「素振り」です。ボールを打つときは「当てたい」「ちゃんと飛ばしたい」といった願望、「当たらなかったらどうしよう」「もし曲がったら嫌だなぁ」といった不安がスイングを狂わせます。素振りは、そうした感情を入れず、ただシンプルに振る行為です。この基本的な目的のみに集中したシンプルな思考が、あなたの潜在能力として眠っているベストスイングを引き出します。
ボールを前にして、素振りそのままにスムーズな回旋運動をすることが理想のスイングになります。当然、体つきや姿勢に変化があれば、フォームやスイングに影響するでしょう。クラブを握り始めの頃と経験を積んだ後では、ベストスイングが変化するのは当然です。そうしたギャップを把握し、修正し、ベストスイングに近づけていく、または維持する作業が、練習場においてPDCAサイクルを回すということなのです。
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執筆=小森 剛(ゴルフハウス湘南)
有限会社ゴルフハウス湘南の代表取締役。「ゴルフと健康との融合」がテーマのゴルフスクールを神奈川県内で8カ所運営する。自らレッスン活動を行う傍ら、執筆や講演活動も行う。大手コンサルティング会社のゴルフ練習場活性化プロジェクトにも参画。著書に『仕事がデキる人はなぜ、ゴルフがうまいのか?』がある。
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