ゴルフエッセー「耳と耳のあいだ」(第56回)ショットを安定させるクオリティーコントロール

スポーツ

公開日:2020.03.17

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 「練習場でのレッスンではナイスショットが打てるが、コースに出るとうまく打てない。どうして?」……こんな質問をスクールのお客さまから受けることがあります。そんなとき、私は次のステップで確認します。レッスン時にはボールをスムーズに打つための運動プログラムを必ず行っていますが、それがきちんとコースラウンド時にも行えているか、身体パフォーマンスが上がっているかなど、まずはフィジカル状況から確認します。

 次にメンタルの確認。ボールを打つ目的で整備され、傾斜もない練習場と、気候や傾斜の異なる場所からターゲットを狙って打つコースでは状況が異なります。しかも、練習では何球も打てますが、コースでは一発勝負。こうした違いがメンタルに影響を及ぼします。きちんと集中できているか、「失敗しないか」など、余計なことを考えていないかメンタルの状態をチェックします。

 フィジカルとメンタルをチェックした後は、コースでの「定石」を確認します。ここでいう定石とは、コースラウンドにおいてやるべき最善の手順(ステップ)のこと。定石を身に付けると、ショットのクオリティーが格段に高まります。ぜひ、この手順を覚えてコースに臨んでみてください。

ナイスショットに不可欠な5つのステップ

 第44回「決断なくして結果なし!決断力を上げる4つの法則」では、決断の重要性について述べました。その際、ショットの1つひとつに4つのステップが必要であると説明しました。4つとは、情報収集→イメージ→決断→実行です。まずこの4つのステップについておさらいしましょう。

 まずは「情報収集」です。ここでは、ピンまでの距離や高低差、ボールのライ(状態)、風の向きや強さ、バンカーなどの障害物の有無といった情報を収集し、どう攻めていくかを判断する材料にします。つまり「現状把握」です。

 次の「イメージ」では、これから放つショットの目標を定め、そのショットをイメージします。「情報収集」で得られた情報を基に、さまざまな選択肢を考えます。イメージしたショットがハイリスクであったり、自分の実力では実現困難だったり、あるいは逆にあまりに消極的なものはふるい落とし、自分なりにベストな攻め方が想像できるまで、目標設定とイメージを繰り返します。

 そして、いくつかの選択肢の中からベストな方法を選択、これが「決断」です。ここまでのステップを踏んだ上で初めて実際にボールを打つ「実行」に移すことになります。

 コースに出たときに行われるべきナイスショットの定石とは、これらのステップが正しく行われることに尽きます。情報収集→イメージ→決断→実行に、もう1つ、「目標設定」を入れてみましょう。5つのステップとなり、次のようになります。

 

 次に、それぞれのステップにおけるポイントを解説します。

各ステップにおけるポイント…

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執筆=小森 剛ゴルフハウス湘南

有限会社ゴルフハウス湘南の代表取締役。「ゴルフと健康との融合」がテーマのゴルフスクールを神奈川県内で8カ所運営する。自らレッスン活動を行う傍ら、執筆や講演活動も行う。大手コンサルティング会社のゴルフ練習場活性化プロジェクトにも参画。著書に『仕事がデキる人はなぜ、ゴルフがうまいのか?』がある。

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