社内のペーパーレス化が進み、資料に目を通すためのパソコン操作に苦戦中。そんなIT初心者の社長にも、分かりやすく理解できるようにITキーワードを解説する本連載。今回は目の疲れにも関係する「ブルーライト」だ。
「決算書を見ていたら、なんだか目が痛くなってきたな。昼食は久しぶりにうな重を食べようかな」(社長)。
「社長、大丈夫ですか? ところで、うなぎは眼精疲労にいいそうですが、すぐに効果は出ないと思いますよ。そういえば老眼が進むと目のピントが合わなくなって疲れやすくなると聞きましたが…」(総務兼IT担当者)
「私を年寄り扱いして、さてはうなぎを食べさせない気だな(笑)」
「そんなこと言っていませんよ。老化はともかく、もしかしたらパソコンのブルーライトが関係しているかもしれません」
「……また、聞きなれない単語を出してきたなぁ。そのブルーライトとやらが一体何かを教えてくれないか」
健康に影響する「青色の光線」
ブルーライトは、波長が380~500nm(ナノメートル)の「青色の光線」。太陽光やパソコン、タブレット、スマートフォンなどのディスプレーからも発せられます。可視光線の中で波長が最も短く、強いエネルギーを持つことから、目の疲れや身体の疲れなど健康に影響すると言われます。長時間のパソコン作業は避け、適度に休憩を取るなどの対策が必要です。
パソコンやスマホから発生するブルーライトは、目の疲れや肩こりなどの原因になるとされている
Q ブルーライトは人にどんな影響を与えるのですか。…
パソコンやスマートフォンなどのディスプレーから発せられるブルーライト。パソコン操作でブルーライトを長く浴びていると目が疲れたり、夜間にスマートフォンなどの画面を見続けたりしていると睡眠のリズムが崩れ、体調にも影響します。また、太陽光にもブルーライトが含まれ、網膜の働きによって体内時計を整え、生活のリズムに役立つとも言われます。ブルーライトは悪影響だけではないのです。
Q ブルーライトの影響を小さくする方法はありますか。
パソコンのディスプレーにブルーライトをカットするカバー(保護フィルムなど)を取り付けたり、ブルーライトの影響を小さくするメガネをかけたりする方法があります。また、設定でディスプレーの輝度を下げ、ブルーライトを含め目に入る光の量を減らすことも効果的です。
Q 健康面に配慮したパソコン作業の注意点はありますか。
パソコンやスマホを長時間見ることがないよう、1時間以内で10~15分程度の休憩を取るように心がけましょう。操作する際、ディスプレーの位置は作業者の目から40cm以上の距離を保ちます。休憩の際は席を立って体を動かし、長時間同じ姿勢にならないようにしましょう。また、長時間の操作が続いている社員がいる場合、業務負荷に偏りがないかチェックすることも欠かせません。AIがパソコンの使用状況を分析・可視化するツールもありますので、必要に応じて活用するとよいでしょう。
「なるほど。やはりパソコンやスマホの見すぎはよくないな。適度に休憩しよう」(社長)
「はい、目の健康のためにもぜひそうしてください」(総務兼IT担当者)
「やれやれ、パソコンで決算書を見ていたら、目だけでなく頭も痛くなってきた」
「それはブルーライトの影響とは言えないんじゃないでしょうか…」
「わが社の売り上げもうなぎ上りになればいいんだがな」