関西の梅雨はとにかく蒸す。京都は山に囲まれた盆地なのですさまじく、大阪は風が吹かずに息苦しい、神戸は海沿いに行けば少しマシだがやはり蒸す。そしてこのシーズンは何となく食欲がなくなってしまいます。日々多忙なビジネスパーソンの中には、早くも夏バテの兆候を感じている人も多いのではないでしょうか。
そんなとき、オススメしたいのがスパイシーな料理です。中でも、辛みと酸味、甘味を三位一体で味わえるタイ料理がイチオシです。神戸ではご当地CMの「私ガ~オ待チシテイマス」という決め言葉で有名な老舗をはじめ、街のあちこちでタイ料理の看板を見ることができます。
今回紹介するのは、6月1日にオープンしたばかりのアジアンビストロ「Chi-ma-ki(ちまき)」。タイ料理を中心に、本格派アジアン料理とビストロ風の大衆西洋料理を1つの店で楽しめるのがオススメの理由です。
もともとは、若者向けの雑貨店やカフェが集積するエリアでしたが、若者が「オトナ」へ成長するにつれ、店もオトナ化。近年は、看板がないフレンチや、BGMを流さないショットバーなど“あえて”のおしゃれを演出する店が増えているようです。
Chi-ma-kiの入り口は細長いレトロビルの路面にあります。1階正面、すりガラスをはめ込んだ鉄の扉を手前に引いてすぐ、目の前にはコンクリートの階段が。このいきなり感に驚かされながらも2階へ。外観から受ける印象よりも中は広く、76席が用意されています。
おひとり様なら、10席ほどある小卓席へ。中華料理の影響を受けたタイ料理には大皿を大人数で囲むイメージもありますが、そこは「ビストロ」でもある同店。タパスと呼ばれる小皿メニューで、タイ料理の数々を堪能できます。
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Chi-ma-ki特製の「トムヤムクン」(1490円)[/caption]
タイ料理の特徴は、香辛料とハーブをたっぷり使うこと。香辛料やハーブは、具材としてではなくメーンの食材を引き立てる調味料や隠し味に使われることが多く、組み合わせのパターンは多種多彩。したがって、同じ料理でも提供する店や人によって変わります。まさに十食十色です。
代表的な香辛料といえばタイの唐辛子・プリックです。色や形、風味もさまざまで、その辛みには食欲増進効果があるといわれています。また、タイ料理で使用するハーブの代名詞は、「トムヤムクン」に欠かせない酸っぱいネギ・タクライの他、ガパオやパクチーといった香草。これらは、汗で失われがちなビタミンやミネラルの補給もしてくれます。
体力を消耗しがちなこれからの季節に体が欲する料理、それが香辛料とハーブで満たされたタイ料理なのです。
タパスとビールでタイ風マリアージュ
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アジア各国のビールがズラリ![/caption]
まずはビールで乾杯といきましょう。タイビール「シンハー」などアジア各国のビールを瓶で提供してくれます。小瓶サイズだから飲み比べにもピッタリですね。
おすすめ料理は、734円のタパスメニュー。オーダーしてすぐに出てくる「半熟卵とアジアンポテトサラダ」は、パクチーとトムヤム両方の風味が楽しめる2種のポテトサラダに濃厚な半熟卵を乗せた一皿。「ガイトード」は、タイ風から揚げ。レモングラスとバイマックルーが香る熱々を、ヒリリと辛いチリソースで味わいましょう。
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左写真:最初の一品に「半熟卵とアジアンポテトサラダ」(734円)、右写真:チリソースで味わう「ガイトード」(734円)[/caption]
この他、もちもちの皮にもパクチーを練り込んだ「パクチー水餃子」や、チリ味のうまさが止まらないエビ入り揚げ春巻き「ポーピアンクントード」、タイ風さつま揚げ「トート・マンプラー」などがあります。
おひとり様グルメらしい注文方法としては、タパスを厳選の1皿に抑え、大ぶりのエビが2尾入る「トムヤムクン」(1490円)や、タイの屋台メシ「パッガパオガイ」(1166円)などに進むのがベター。胃袋の調子に合わせて食事の量を決められるのが、この店の1つの魅力といえるでしょう。
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「パッガパオガイ」(1166円)など、ご飯物や麺類も豊富[/caption]
あれこれ食べたい方には、「トアウエストにいい店知ってるから」の誘い文句で、2人連れやグループで店を訪れ、浜風がピタリと止まって蒸し暑い夕なぎの夜を、ワイワイガヤガヤと吹き飛ばしにかかるのも一興です。
※文中にある金額はすべて税込価格です
アジアンビストロ「Chimaki(ちまき)」神戸三宮店
http://chimaki.favy.jp
神戸市中央区北長狭通3-2-13 本山ビル2F
JR・阪神「元町」東口より徒歩3分
阪急「神戸三宮」西口より徒歩4分
17:00~23:30
年中無休
050-5265-5106