ビジネスコミュニケーション手法の改善(第10回)
【オフィス・店舗向け】回線速度は?サポートの手厚さは?業務用フレッツ光の選び方
公開日:2017.08.31
米国の医療保険には、日本の国民健康保険のような公的な医療保険が存在しません。その代わりに個人や勤務先の企業が、民間の保険会社から医療保険を購入する仕組みになっています。米国は保険会社ごとに独自のプランを提供するので、商品は多種多様かつ複雑な条件が絡み合う混沌とした様相を呈しています。そのため、自分に適した医療保険を探すのに労力をかけても、ベストなものが見つけられるとは言い切れない状況です。
その医療保険選びにAI(人工知能)を活用するというビジネスが登場しました。開発したのは「ジョアニー」という企業です。
民間主導の米国の医療保険システムでは、多くの人が勤務先の契約している民間医療保険を購入しています。一方、そうした医療保険を購入できない人は、予算や条件に合わせて保険プランを自分で選択します。保険選択のための情報は複雑かつ膨大で、消費者は保険会社や保険プランの選択に相当の時間をかけています。
また、オバマケア(医療保険購入時の条件緩和や、購入していない者への追加税による罰金など)の影響で医療保険の間口が広がったこともあり、消費者が選択上の混乱に直面する機会が増えてきています。
「ジョアニー」は、消費者に代わって最適な医療保険プランを選択するプラットフォームです。企業名もジョアニーとなっており、クリスティン・キャリオ氏とヘレン・リー氏という2人の女性起業家であり、ソフトウエアエンジニアによって立ち上げられました。その事業目的は「医療保険の購入時の負担を軽減」です。こうした観点の企業が出現するほど、米国の医療保険システムは、複雑なのです。
ジョアニーの使い方は簡単です。まず、自分の居住地の郵便番号(ZIPコード)、年齢、配偶者の年齢、扶養者数などを入力します。続けて、家族に通院中の人がいるか、年内の通院予定数、政府からの助成金受給資格有無、年収などの情報を入力します。
入力が終わるとジョアニーが最適なプランを提示します。保険料、病院窓口での自己負担額、自己負担最大額などが表示され、プランが気に入ればワンクリックで申し込みが完了します。
ジョアニーが採用したのはディープラーニング型AIです。高度な予想モデリング機能に基づいて、AIが消費者に最適な保険プランを導き出しています。ジョアニーのAIは、既存データをベースに被保険者が支払う窓口負担額や保険料などの金額をディープラーニングにより高い精度で予測、人間では不可能な次元のお勧め案を提示してくれます。…
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執筆=前田 健二
大学卒業後渡米し飲食ビジネスを立ち上げ、帰国後海運企業、ネットマーケティングベンチャーなどの経営に携わる。2001年より経営コンサルタントとして活動を開始。現在は新規事業立ち上げ支援を行っている。アメリカのビジネスに詳しく、特に3Dプリンター、ロボット、ドローン、IT、医療に関連したビジネスを研究、現地から情報収集している。
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