ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2022.06.30
前回、目標の定め方のポイントについて解説しました。その中で、顧客が求めていることの実現を目標にして、それから数値に落とし込んでいくようお勧めしました。今回は、その数値目標に対する姿勢について注意を促したいと思います。それは、全力で頑張れば達成できる高い目標を設定し、それを達成するために力を尽くすというものです。
皆さんの会社では年間目標や月間目標を立てているところが多いと思います。私が経営している社員15人の会社も、もちろん目標を設定しています。目標についてはいろいろな考え方があると思いますが、私は目標というのは達成するもの、達成すべきものだと考えています。
どうしてそう考えているかというと、私はこれまでにたくさんの会社を見てきましたが、ずいぶん高い目標を立てて、8割程度達成できればいいかなどと考えている経営者が珍しくはないんですね。そのやり方を続けると、目標は達成できないのが当たり前という思考になりがちで、私は反対の立場です。年間目標や月間目標といった大きな目標に対して、「達成しなくても当たり前」という姿勢でいたら、その手前のもっと小さな目標も達成しなくて当たり前と考えてしまうようになると思うのです。人生の目標も同じです。
私が親しくさせていただいているお客さまの中に、自動車部品メーカーがあります。その会社は自動車メーカーに部品を納めています。自動車メーカーは日本でも海外でもジャストインタイム生産で、在庫は徹底的に回避するようにしていて、部品メーカーの立場からすると非常に大変です。決められた数の部品を、決められたある一定期間のうちに納入しないとペナルティーを課されてしまいますから。しかも、シックスシグマといって100万分の1個単位の不良率に抑えないと許してもらえないそうです。
このような厳しい環境にさらされている会社が、もしも目標達成は適当でいいよ、8割達成できればいいよという姿勢でいたら、その日からもう会社として成り立たなくなるでしょう。日本の自動車メーカーや部品メーカーが強いのは、この非常に厳しい環境の中で毎日鍛えられているからです。
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執筆=小宮 一慶
経営コンサルタント。株式会社小宮コンサルタンツ代表取締役CEO。十数社の非常勤取締役や監査役、顧問のほか名古屋大学客員教授も務める。1957年、大阪府生まれ。京都大学法学部卒業後、東京銀行(現・三菱UFJ銀行)入行。米ダートマス大学タック経営大学院に留学、MBA取得。1991年、岡本アソシエイツ取締役に転じ、国際コンサルティングに従事。1996年に小宮コンサルタンツを設立。
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どんなときでも稼ぐ社長の経営習慣