覚えておきたいオフィス・ビジネス情報のキホン(第9回)インボイス制度の登録方法とは?申請手続きから注意点まで解説

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公開日:2023.01.31

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 2023年10月から開始が予定されているインボイス制度は、特にBtoBビジネスを行う企業や事業者にとって、仕事の進め方が大きく変わる可能性があります。この記事では、インボイス制度の内容や申請方法の手順、インボイス制度に登録しないことによるデメリットについて紹介します。

目次
・インボイス制度とは消費税の仕入税額控除の新たな仕組み
・インボイス制度によって変わること
・なぜインボイス制度がスタートしたのか
・インボイスの登録申請の手順
・インボイスの申請に必要なもの
・インボイスを登録しなかったら?
・インボイス制度の注意点
・まとめ

インボイス制度とは消費税の仕入税額控除の新たな仕組み

 インボイス制度とは、インボイス(適格請求書)という請求書・領収書を使って取引をすることにより、消費税の仕入税額控除を受けられる制度で、2023年10月1日から施行されます。この制度は売り手、買い手の両方に適用されます。売り手側は、買い手側から求められればインボイスを交付しなければならず、その書類の写しを保存しておく必要があります。

 売り手側がインボイスを発行するためには、「適格請求書発行事業者」に登録する必要があります。適格請求書発行事業者とは、インボイスの発行が認められた課税事業者のことです。ここでいう課税事業者とは、課税売上高が1000万円を超える、消費税を納付する義務がある法人・個人事業主のことです。

 一方で、課税売上高が1000万円以下の法人・個人事業主は、国に消費税を納める義務がない「免税事業者」となり、適格請求書発行事業者の対象外となります。インボイス制度の施行後は、企業がインボイスを発行できない非適格請求書発行事業者から商品を購入した場合、消費税の仕入税額控除が受けられなくなります。つまり、企業が課税事業者と取引する場合は、インボイスを発行することで取引時に発生する消費税は控除されますが、免税事業者と取引をする場合、消費税は控除されません。

関連記事:インボイス対策(1)免税事業者は関係ない?
https://www.bizclip.ntt-west.co.jp/articles/bcl00179-002.html
関連記事:インボイス対策(2)適格請求書発行事業者への道
https://www.bizclip.ntt-west.co.jp/articles/bcl00179-003.html

インボイス制度の認知度は6割越え
 インボイス制度は商品の取引形態を大きく変える制度ということもあり、インボイスの対象となる事業者間では広く認知されているようです。

 日経BPコンサルティングが2022年9月にモニター2251人を対象として実施した調査では、「具体的内容を理解している」「概要を理解している」「導入されることは理解している」の合計が61.0%を占めており、6割を超える事業者がインボイス制度を理解していると回答しました。その一方で、「ほとんど理解できていない」「本アンケートで初めて知った」の合計は39.0%となり、制度をよく知らない事業者も一定数存在します。

インボイス登録企業は全体で2割ほど
 インボイスを発行するためには、適格請求書発行事業者として登録し、インボイスに記載する「発行事業者の登録番号」を取得する必要があります。

 適格請求書発行事業者になるための申請手続きは、すでに受付が始まっています。前述の調査 では、「すでに対応済みである」が全体の21.4%、「具体的な準備を進めている」が35.2%で、合計では全体の56.6%がインボイス制度に積極的に対応していると回答しています。「対応していないし予定もない」という回答は、全体の11.9%と、全体的には少数派となっています。

 ただし、事業者の規模別で見ると様相が変わります。従業員1万人以上の企業では、46.3%がインボイス制度に対応済みと回答しているのに対し、99人以下の企業では、対応済みの回答は11.8%にとどまり、27.2%が対応を予定していないと回答しています。このことから、小規模の企業では対応に苦慮している姿が見て取れます。

インボイス制度によって変わること

 インボイス制度の施行により、新たに発生する経理事務があります。最も大きな変更点は、追加で請求書に記載すべき内容が発生する点です。インボイスとして認められる請求書には「登録番号」「適用税率」「税率ごとの消費税額」の記載が義務付けられています。自社でインボイスを発行する場合は、これらの項目が請求書に記載されていなければなりません。

 課税事業者として取引先から請求書を受領する場合はさらに複雑になり、課税事業者と免税事業者を分けて経理処理する必要があります。また、取引相手がインボイスを発行できる課税事業者の場合は、相手から受け取る請求書に、先に述べた3項目が明記されているかどうか確認を行います。

 一方、取引相手がインボイスを発行できない免税事業者の場合は、相手に支払う消費税が「仕入税額控除対象」にならないような経理処理が別途必要になります。これは、免税事業者に支払った金額は仕入税額控除として認められないためです。

 つまり、インボイス制度の施行後は、新たに2通りに分けて別々の計算方法で経理処理を行うことになるので、手作業ではかなりの時間を要することが予想されます。状況によっては経理作業にかかる時間や人的リソースを削減し、業務効率化を図るため、会計システムの導入を検討する必要があります。

なぜインボイス制度がスタートしたのか

 インボイス制度が定められた背景には、2019年10月に軽減税率が導入されたことが関係しています。軽減税率の導入により、10%と8%という異なる消費税率が混在し、適用される税率によって税込みの対価は異なります。

 現行の請求書では、消費税について記載する義務がないため、どの商品にどの消費税率が適用されているのかは分かりません。そのため、8%の消費税を計上すべき部分で10%の消費税を計上し、差額分で不当に控除を受けることが可能になってしまいます。

 この仕入れ額控除を正しく算出することを目的に、取引においてどちらの消費税率が適用されているのか正確に把握すべく、インボイス制度が導入されました。繰り返しになりますが、2023年10月のインボイス制度施行後は、インボイスがないと仕入税額控除を受けられなくなります。

インボイスの登録申請の手順…

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執筆= NTT西日本

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