ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2023.02.28
西日本で保険サービスを展開するD社。各保険会社の代理店としてさまざまな保険商品を取り扱い、営業職員の専門的な知識を生かして顧客へのきめ細かな対応で事業を拡大してきた。保険契約書類などの文書はPDFファイルとして本社に設置したネットワーク型ストレージのNASに保存していたものの、文書ファイルの他、保険商品の研修ビデオなどの大容量ファイルの保存ニーズが高まり、NASのリプレースを検討することになった。
しかし、従来のようにNASをオンプレミスで導入・運用するとなるとイニシャルコストがかかり、データ容量を増やす場合、再び買い換えが必要となる可能性もある。そこで、初期費用が不要で容量や利用者のIDを柔軟に追加できるクラウドストレージを導入。これらの利用によって、ファイル保存だけでなく、顧客先でもタブレット端末を用いて商品カタログを見せるなど顧客サービスの向上にも効果を発揮している。
大手保険会社では業務のデジタル化が進むが、D社のように営業職員が十数名、営業拠点も数カ所と中小規模の保険サービス会社ではIT化が道半ばという例も多い。営業職員は訪問先でタブレット端末に顧客情報などを入力するものの、契約書類などは取り扱う保険会社の書式も異なることから、紙ベースで行ってきた。そして、帰社後に営業拠点の端末に入力する他、VPN通信網を介して本社のNASに契約書類を保存し、必要に応じて参照するなどファイルサーバーのように使っていた。信頼性の高いHDDを搭載するNASはデータの保存先として適しているものの、保存するデータが増えてくるとHDDの増設や上位機種へのリプレースが必要になることもある。
そこで、D社ではデータ容量が数TB(テラバイト)のNASを数年前に導入。導入当時は十分な容量だと思われたが、保険サービスの業務拡大とともに契約書類の他、各保険会社の商品カタログや販売マニュアルが増加。さらに今後、業務のデジタル化が進めば、取り扱うデータは増えることはあっても減ることはないと判断。そこで、NASをオンプレミスでリプレースするのではなく、クラウドサービスとして提供されるストレージのほうが将来のデータ容量の増大にも柔軟に対応でき、イニシャルコストも抑えられると考え、クラウドストレージの利活用に取り組むこととなった。
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執筆=山崎 俊明
【TP】
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