ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
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公開日:2017.04.28
新緑が街に広がり、気温の高い日も多くなりましたが、日本アルプスなど標高の高い山ではまだ冬の装いです。春の山は、気象が変わりやすいことに加え、発達した低気圧が通過した後は一時的に冬型の気圧配置が強まり、急に天候が荒れることがあります。そんなとき、登山者の判断材料に気象データは欠かせません。今回は気象情報の利用ポイントについてお伝えします。
春は移動性の高気圧と低気圧が交互にやって来るのが特徴で、天候も数日ごとに晴れたり崩れたりを繰り返します。ゴールデンウイークに山へ出掛ける計画を立て、出発が迫るこの時期、まさに気象情報をチェックしている人も多いでしょう。
これまでにも、2009年4月26日に北アルプス後立山連峰の鳴沢岳付近で、3人の登山者が暴風雪の中、低体温症で死亡したり、12年5月4日には同じ山域の小蓮華岳で6人が低体温症により一度に亡くなったりなど、数年ごとに大きな気象遭難が起きています。これらの教訓もあってか、登山前の気象確認が欠かせないことは既に登山者にも広く知られていて、多くの人が気象情報に敏感になっているように思います。
登山者がよく利用しているWebサイトの1つに、日本気象が運営する気象サイト「てんきとくらす」があります。気象関連のさまざまな情報サイトがある中で、登山者に分かりやすいという点が特に人気を集めているようです。
行楽地の天気予報をまとめたページがあり、その中の「高原・山」という所を開くと、実に細かく山名が表示されます。私が数えたところ、全国の人気の山が1700カ所近く載っていて、それぞれの山(麓の街)の気象情報を見られるようになっています。
このサイトの最大の特徴は、3段階で見られる「登山指数」です。登山をするための快適さをA(登山に適している)、B(風または雨が強く、やや登山に適さない)、C(風または雨が強く、登山に適さない)で公表しており、便利に使えます。
そもそも、山の天候は複雑で、麓と山中では天候が大きく違うことも珍しくありません。一般的な天気予報と、実際の山の天気は異なることも多く、登山前に一般的な天気予報をチェックするだけでは不十分です。かといって、天気図などから自分で山の天気を予測するのは非常に難度が高い。
結局、どのように気象情報を見ればいいかよく分からないという人にとって、この「登山指数」の表示は大変分かりやすいものだと思います。気象情報を見ることをより身近にしたという点において、画期的だったといえるかもしれません。しかし、知っておいてもらいたいのは、こうした情報はあくまで計測地点を基にしたデータを自動計算して発表されているものだということです。
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執筆=小林 千穂
山岳ライター・編集者。山好きの父の影響で、子どもの頃に山登りをはじめ、里山歩きから海外遠征まで幅広く登山を楽しむ。山小屋従業員、山岳写真家のアシスタントを経て、フリーのライター・編集者として活動。『山と溪谷』など登山専門誌に多数寄稿するほか、『女子の山登り入門』(学研パブリッシング)、『DVD登山ガイド穂高』(山と溪谷社)などの著書がある。現在は山梨で子育てに奮闘中。
【T】
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