強い会社の着眼点(第19回)
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公開日:2021.11.12
食物の消化・吸収、排せつの働きだけでなく、免疫の獲得やエネルギー代謝にも深く関わる「腸」。この働きを整えれば、心身のパフォーマンスを高めるとともに、太りにくい体づくりにも役立ちます。今回は、腸の働きを助ける食事とレシピを専門家に伺いました。腸内環境を整える食習慣で、冬場の健康維持に備えましょう。
腸内環境には、善玉菌や悪玉菌、そのどちらでもない日和見菌が群生していると聞いたことがある人も多いと思います。腸内環境を整えるには善玉菌を活性化させることが肝要です。この群生している腸内細菌を花畑になぞらえて「腸内フローラ」といいます。腸内細菌の研究を行う薬学博士の國澤純先生は、「この腸という土壌を整えて善玉菌の群生を促進し、花を咲かせる(善玉菌が優位な環境にする)ことで、ダイエットを助けてくれる環境が整います」と語ります。
善玉菌の群生を促進する有効な手段を國澤先生にお聞きすると、「発酵性食物繊維」の継続的な摂取を薦められました。善玉菌は、発酵性食物繊維を材料にして「短鎖脂肪酸」という成分を作り出します。この短鎖脂肪酸が腸のエネルギーとなり、活動を活性化するとともに脂肪細胞に働きかけ、脂肪の蓄積を抑える働きや、体のエネルギー代謝を高めて肥満を防ぐ働きを担います※。
つまり、発酵性食物繊維は、善玉菌が花を咲かせて短鎖脂肪酸という種をつくるための水や養分のようなもの。毎日、水や養分をあげることで、善玉菌がすくすく育ち、健康維持やダイエットをサポートする環境が整うと國澤先生は言います。
※ Peter J. Turnbaugh, et al. Nature. 444:1027-1031(21 December 2006)
発酵性食物繊維とは腸内で発酵しやすい食物繊維のことで、オートミールや玄米、もち麦、小麦ブランシリアルなどの穀類に多く含まれます。例えば1日1食、主食を食物繊維が豊富なこれらの食品に置き換える習慣をつくれば、短鎖脂肪酸の持続的な働きが期待できるそうです。
エネルギーに転換されない糖質は脂肪として体内に蓄積されます。運動量が不足したり、過食が習慣になったりすると、それが顕著になります。そこで、糖質が豊富な白米や麺類の摂取量を抑え、相対的に発酵性食物繊維を増やそうというわけです。冬に向かうにつれて忙しくなり、十分に運動できないと感じてきたら、こうした食事面でのコントロールが体調管理には効果的です。
また、オートミールなど全粒穀物の食品は、水分を吸収しながらゆっくりと消化器官を移動するため、適度な満腹感を維持しやすいといいます。朝食にシリアルを食べている人は、昼食も腹8分目で済ませられるのではないでしょうか。空腹感による昼食のドカ食いを防げば、血糖値の急激な上昇も抑制できます。
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執筆=Nao Kiyota(Self Training Café)
美容・健康ライター。ダイエットアドバイザー、リンパケアセラピスト、心理カウンセラーの資格を生かし、健康で美しくなるためのセルフトレーニング法を発信している。最近カメラを購入。写真で「もっとわかりやすく」伝えられるよう、日々修行に励んでいる。抹茶ラテ(豆乳・シロップ抜き)と足つぼマッサージが大好き。
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