ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2021.01.26
グリーンに向けて放たれたボールが見事グリーンにオン。同伴競技者から「ナイスオン!」と声を掛けられるも、それを打った当の本人は「でも、今の当たりはイマイチだったよなぁ……」「けど、トップ気味だったよなぁ……」と何となく不満顔のようです。このように、良い結果が得られているにもかかわらず自身の思惑とは異なったことで、ショットの内容に満足できない人がいます。私はこのようなプレーヤーを「でも・けど症候群」と呼んでいます。くよくよ悔やんでいるより「ラッキーも実力のうち」と割り切った方が最終的に良いスコアが出せると思いますから、上達したい人はぜひ「でも・けど症候群」を脱しましょう。
ゴルフでは、ナイスショットが必ずしも良い結果に結び付くとは限らないケースがあります。逆に、決してナイスショットとはいえなくても良い結果が得られるケースもあります。アプローチでトップして地面をゴロゴロ……、けれど転がったボールは見事ピンそばといったケース。いわゆる“結果オーライ”です。
冒頭で例に挙げた「でも・けど症候群」の人は、“結果オーライ”では満足せず、常に100点満点のショットを求めます。こうした完璧主義の人は99点のショットで満足できず、打つたびに「でも・けど……」を口にします。はっきり言えば、自分が思うようにすべてのショットで100点満点のショットが打てる人はいません。トーナメントで活躍するトッププロでもそうなのですから、一般のアマチュアゴルファーではなおのこと100点満点のショットをすべてたたき出すのは不可能だと割り切ってください。
「でも・けど症候群」の人は、充実感や満足感が得られにくいのではないでしょうか。「でも・けど」を繰り返すと、本人が意識していなくともプレーがネガディブになりがちです。本来持っているはずのパフォーマンスは低下し、なおさらナイスショットは出にくくなるという負のスパイラルに陥るでしょう。何をやってもうまくいかない、という心境になればなるほど“結果オーライ”の確率すら期待できなくなってしまうかもしれません。
「でも・けど症候群」の人は、また、同伴競技者にも悪影響を及ぼすことがあります。「ナイスオン!」「ナイスアプローチ!」と声を掛け合ってお互いに気分を盛り上げているとき、「でも・けど症候群」の人が不満げな表情を見せたり、不満を口にしたりすると、同伴競技者は声掛けしたことが悪かったのか、はたまた、何か粗相をしたのかと思って口を塞いでしまうかもしれません。“場の空気”が悪くなっては、せっかくのゴルフの楽しみが台無しです。
このように、自分のゴルフを楽しむことができず、さらに、無自覚のまま場の空気を悪くするという悪癖を持っているのが「でも・けど症候群」の人です。身に覚えのある人がいたら、ぜひ直していただきたいものです。
さて、ではどうすれば「でも・けど症候群」から抜け出せるでしょうか?
私は、“目的だけにフォーカスする”ことと“結果を肯定すること”をオススメしています。例えばミドルホールやロングホールの場合、ティーショットの目的は「セカンドショットが打ちやすい所にボールを運ぶ」です。ショートホールの場合、中上級者は「ピンそば」もしくは「グリーン上のパッティングしやすい所に乗せる」が目的になるでしょう。ワンオンが難しい人なら「次にアプローチしやすい所に運ぶ」を目的にするのが賢いやり方です。セカンドショット以降のショットでも同様で、常に次のショットのことを考え、リスクヘッジしながら戦略を練り、その目的を明確にしてからショットに挑みます。パッティングも同様、カップに寄せることが目的なのか、カップインが目的なのかを明確にします。
このように、プレーヤーのレベルや状況によって異なるシーンごとの目的を明確にすることが大切です。そして、多少ボールが曲がろうが、弾道が低かろうが、同伴者の中で一番飛んでいなかろうが、セカンドショットが打ちやすい所という狙いに対してボールが運べたのなら、「結果よし」と考えて素直に喜びましょう。いちいち悔やんだり落ち込んだりせずに気持ちを切り替え、次のショットに集中する……その繰り返しで、「でも・けど症候群」から脱却することができるでしょう。そもそもゴルフ本来の目的は“楽しむこと”です。打つたびにいちいち「でも・けど」を繰り返していてはしんどいですし、これで18ホール回ると疲れてしまい、楽しむことができません。目的だけにフォーカスし、ショットの良しあしは気にせずに“結果オーライ”でゴルフを楽しみましょう。
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執筆=小森 剛(ゴルフハウス湘南)
有限会社ゴルフハウス湘南の代表取締役。「ゴルフと健康との融合」がテーマのゴルフスクールを神奈川県内で8カ所運営する。自らレッスン活動を行う傍ら、執筆や講演活動も行う。大手コンサルティング会社のゴルフ練習場活性化プロジェクトにも参画。著書に『仕事がデキる人はなぜ、ゴルフがうまいのか?』がある。
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ゴルフエッセー「耳と耳のあいだ」