ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2018.02.08
前回は「心の健康の3つのC」のうち、「Cognition(認知)」について述べました。今回は「Control(コントロール感覚)」「Communications(コミュニケーション)」について解説します。
Control(コントロール感覚)は、既に述べたように「結果に対して自分が影響できているかどうか」です。
自分の行動に対する影響が分かれば、仕事の意味を理解できます。しかし、ただ作業するだけで、自分の作業が良かったのかどうか、その作業の成果がどのように利用されるのかを把握できなければ、気力が失われます。これが「燃え尽き症候群」です。
メンバーがコントロール感覚を持てるようにリーダーができるのは「プロジェクトの全体像を示す」ことです。そもそもプロジェクトが会社全体の戦略の中で、どのような意味を持っているのかをメンバーに説明するリーダーは多くいません。メンバーが自分たちの仕事の意味を理解し、コントロール感覚を持つためには、プロジェクトが持つ意味と、各メンバーがどのような役割を担っているのかを明確に説明しなければなりません。
また、プロジェクトの意味をリーダー自身がよく理解していない場合は、プロジェクトスポンサー、上級管理職に聞いてみましょう。リーダー自身もコントロール感覚を向上させられるはずです。
米国労働安全保健研究所(NIOSH)の職業性ストレスモデル(図1)で分かるように、仕事のストレッサーに触れてから、うつなどの心の健康を損なうまでには、個人要因、仕事以外のストレッサー、緩和するもの、という変数があります。人それぞれに環境が異なるわけです。プロジェクトリーダーは、普段からのコミュニケーションで、各メンバーがどのような環境にあるのかを知っておく必要があります。また、自分の状況や悩みについて話したり、聞いてもらったりするだけでも、気が楽になったり視野が広がったりします。コミュニケーション自体が、緩和するものになるわけです。
ここでリーダーに必要となるのが「カウンセリングマインド」です。カウンセリングマインドとは、成果の前に、相手に1人の人間として向き合い、人間関係の構築を第一に優先する心がけを意味します。リーダーは責任ある立場ですから、どうしても「成果思考」に陥りがちになります。しかし、プロジェクトが成果を上げるためには、メンバーの1人ひとりの頑張りが必要です。そして、メンバーは1人ひとり、心を持った人間なのです。
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執筆=芝本 秀徳/プロセスデザインエージェント代表取締役
プロセスコンサルタント、戦略実行ファシリテーター。品質と納期が絶対の世界に身を置き、ソフトウエアベンダーにおいて大手自動車部品メーカー、大手エレクトロニクスメーカーのソフトウエア開発に携わる。現在は「人と組織の実行品質を高める」 ことを主眼に、PMO構築支援、ベンダーマネジメント支援、戦略構築からプロジェクトのモニタリング、実行までを一貫して支援するファシリテーション型コンサルティングを行う。
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