ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
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公開日:2016.09.20
法務省は2016年7月5日、煩雑だった相続手続きを簡素化する「法定相続情報証明制度」(仮称)を2017年度に新設すると発表しました。
これまでは、不動産や預金といった遺産を相続する場合、不動産登記の変更、銀行口座の解約、相続税の申告などのため、戸籍謄本を中心とする書類一式を、不動産の管轄ごとに異なる法務局や金融機関に提出する必要がありました。
新制度では、最初に書類一式を法務局に提出して、その法務局から相続情報を記載した証明書を発行してもらえば、別の法務局や金融機関などには証明書の提出だけで手続きが行えるようになります。今回はこの新制度によって相続手続きが具体的にどのように簡素化されるのかを確認するとともに、ビジネスに与える影響を考えてみたいと思います。
現在、相続人が不動産登記の変更、銀行口座の解約、相続税の申告などをする場合、多くの書類をそろえる必要があります。具体的には、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、相続人全員の現在の戸籍謄本、相続人全員の住民票の写し、遺産分割協議書、相続人全員の印鑑証明などです。
相続を経験した人は分かるかもしれませんが、故人の戸籍謄本の取得だけをとってみても非常に面倒です。戸籍は「婚姻」、「成年に達したことによる分籍」、「他の市区町村からの転籍」、「戸籍の改製」により絶えず編製されています。このため、出生まで連続して溯ることのできる戸籍を取得するのが思いのほか大変なのです。
これを各地方の法務局や各取引金融機関に対してそれぞれ準備する必要があるため、手間の面でもコスト面でも、相続人の大きな負担になっています。コスト面を考えて、ある機関に提出した書類一式を返却してもらってから、別の機関に提出すると、余計に時間がかかるというデメリットもありました。
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執筆=北川 ワタル(studio woofoo)
公認会計士/税理士。2001年、公認会計士第二次試験に合格後、大手監査法人、中堅監査法人にて金融商品取引法監査、会社法監査に従事。上場企業の監査の他、リファーラル業務、IFRSアドバイザリー、IPO(株式公開)支援、学校法人監査、デューデリジェンス、金融機関監査等を経験。2012年、株式会社ダーチャコンセプトを設立し独立。2013年、経営革新等支援機関認定、税理士登録。スタートアップ企業の支援から連結納税・国際税務まで財務・会計・税務を主軸とした幅広いアドバイザリーサービスを提供。
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