税理士が語る、経営者が知るべき経理・総務のツボ(第101回)住宅ローン控除手続きが調書方式へ

業務課題 経営全般 資金・経費

公開日:2024.04.16

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 住宅ローン控除は、正式には「住宅借入金等特別控除」といい、マイホームを購入・リフォームするために金融機関などから住宅ローンを借りた人が受けられる税優遇制度だ。この住宅ローン控除を受ける際の手続きが見直された。

 これまでは住宅ローン控除を受けるために、お金を借りた金融機関などから借入金の年末残高証明書を受け取り、それを税務署に提出する必要があった。会社に勤めている人なら、1年目は確定申告により税務署へ提出、2年目以降は年末調整の際に会社に提出すれば控除を受けられた。この手続きを「証明書方式」という。

 2024年1月以降はこの手続きが「調書方式」という方式に変更になっている。「調書方式」とは、金融機関等が税務署に「住宅取得資金に係る借入金等の年末残高調書」を提出し、納税者には税務署から住宅ローンの年末残高情報を提供される方式のこと。これにより、住宅ローン控除を適用した給与所得者は、確定申告や年末調整の際に年末残高証明書の提出が不要となる。

 「調書方式」では、納税者はマイナンバー等を記載した「住宅ローン控除の適用申請書」を金融機関等に提出する。この時点で納税者がマイナンバーを保有していない場合、金融機関等はマイナンバーの代わりに、e-Taxの利用者識別番号を記載する方式(併用方式)を選択できる。

 税務当局はマイナポータル等を通じて納税者に年末残高等の情報を通知する。マイナポータルから情報を受け取れない場合、納税者は返済計画表等の書類から年末残高を確認し、確定申告書に入力・記載する必要がある。マイナンバーカードでマイナポータルにログインすると、e-Tax用の利用者識別番号と暗証番号を入力することなくe-Taxにログインでき、メッセージボックスの情報の確認もできる。

 ただし、これらは金融機関等が調書方式に移行している場合に限る。金融機関等のシステム対応が遅れ、「調書方式」に移行できていない場合は、2024年以後の居住者であっても、従前の「証明書方式」での対応となる。

 なお、「証明書方式」から「調書方式」に変更が完了した金融機関は、国税庁ホームページに公表される。

2024年からの「住宅ローン控除」はココが変更に…

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