ビジネスWi-Fiで会社改造(第43回)
ビジネスWi-Fiを活用し、自治体DXを推進しよう
公開日:2018.03.28
経営者として事業を行う上で大切な業務の1つに資金繰りがあります。仕入れ代金の支払日や、支払手形の期日、融資の返済日などに必要な資金がないと企業は倒産の危機を迎えます。売り上げの代金をすべて現金で即時に支払ってもらえれば資金繰りの苦労は少なくなるのですが、手形で受け取ったり、帳簿への記載と入金時期にずれがある掛取引になったりするケースも多いのが実情です。
しかし、手形取引や掛取引によって生まれた売掛債権は支払期日までは現金化できないため、帳簿では黒字になっていても、現実では現金の持ち合わせがないという資金ショートが生じることがあります。こうしたとき、従来は支払期日前の受取手形を金融機関に買い取ってもらう手形割引や、金融機関から手形貸付や証書貸付によってつなぎ融資を受けることなどでしのいできました。最近はそれらに加えて売掛債権を売買するファクタリングという手法が定着しつつあります。
ファクタリングは、売掛債権の譲渡または売買契約のことです。つまり自社が持っている“モノ”を他社に販売するのと同じことになります。ファクタリングの場合、他社に販売するモノが「売掛債権を受け取る権利」なのです。
例えば、印刷会社がパンフレットの印刷契約を500万円で受注したとしましょう。これにより印刷会社側には、500万円の売掛債権が発生します。この500万円の売掛債権を他社に売却することで現金化することが、ファクタリングという資金調達です。
ファクタリングを活用するメリットは、現金の入金・支払時期のタイムラグを原因とした資金ショートによる黒字倒産を防げることです。
先ほどの印刷会社を例に、資金ショートの仕組みを解説します。
●パンフレットの印刷契約を3月1日に締結しました。印刷代金の支払いは、納品日の月末までに入金されるスケジュールです。
●印刷会社は、パンフレットの印刷に必要な紙を製紙会社から購入することにしました。購入代金は200万円で、支払期日は3月31日で現金払いです。
●紙が印刷会社に納入されるのは、支払期日後の4月5日となっています。
●印刷会社は4月5日に紙が納入されると印刷を行い、4月15日にパンフレットを納品。契約にあるスケジュールにのっとると、4月30日に印刷会社へ売掛債権の500万円が支払われます。
この契約は、現金の入金が4月30日で、支払いの時期はその前の3月31日ですから、1カ月のタイムラグがあり、その間の資金繰りを考える必要があります。こうした際に有効なのがファクタリングの活用です。
ファクタリングとは、支払期日前の売掛債権を第三者へ売却するというものです。例示した印刷会社の場合なら、契約締結後に500万円の売掛債権を売却し、それを3月31日の紙の代金に充てれば、いいのです。
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執筆=水野 春市
経済関連の調査活動を行うミハルリサーチの一員。主に地域の伝統産業や企業行動に関するレポートを作成している。
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