ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2018.09.05
絶え間ない問い合わせ対応に終始し、本来やるべき業務を圧迫している例は多い。外国人向けにも対応すべきケースも増え、こうしたコミュニケーションを多言語で行わなければならず、負荷は増すばかりだ。この解決手段として成果を上げているのがチャットボットだ。
チャットボットとは、チャットを通じて人間とメッセージをやり取りするプログラムのことだ。ある宅配便事業者では、荷物の問い合わせ番号を入力すると、配送状況を通知するチャットボットを提供している。ほかにも神奈川県横浜市では、廃棄したい物の名前を入力すると、分別の案内をしてくれるチャットボットを運用している。
チャットボットなら問い合わせ対応に人手をかけなくて済む。チャットボットにあらかじめFAQの回答例を組み込んでおけば、プログラムが自動的に応答してくれる。問い合わせる側も、自分の好きなタイミングで質問を投げれば、ほぼリアルタイムで回答をもらえるメリットがある。
チャットボットにはいくつかの種類がある。1つは、ルールベースで動くチャットボットだ。人工無脳型と呼ばれる。キーワードごとに定義したFAQのルールに基づき、自動的に回答する。チャットボットの対応力を上げるには、FAQシナリオのロジックをしっかり組まなければならない。FAQがきちんと準備されていれば、導入負荷は軽減できる。自力でFAQを整備できない場合は、コンタクトセンター運用に実績のあるベンダーなどのサポートが欠かせない。
もう1つは、AI(人工知能)型の製品だ。AIが問い合わせ内容を学習して、最適な対応をつくり上げる。例えば宿泊施設の場合、価格についての問い合わせ1つ取っても「宿泊代」「料金」など言い回しが複数ある。AIなら言葉を学習できるので、こうした表記の揺れにも対応可能だ。学習期間はかかるが、使いこなすほど精度が上がる。ルールベースとAI型を組み合わせたAIチャットボットも存在する。
では、どんなチャットボットを選ぶべきか。まずポイントとなるのは、対応SNSの種類だ。外国人旅行客を相手にするならば、全世界で十数億ユーザーを持つFacebook、そして中国で代表的SNSであるWeChatへの対応が欠かせない。対して日本市場で一般的に使われているのはLINEとなる。SNS対応をするのであれば、Facebook、WeChat、LINEの3つへの対応が重要となる。観光業の場合、サポートする言語数もポイントになる。英語対応はもちろんだが、リピートが多い中国、韓国の旅行客への対応も必要だ。
チャットには要望や不満など、旅行客の生の声が入っている。チャット内容の分析ができれば、サービス向上のヒントにもなる。この宝の山を活用すれば、効果的に顧客満足度向上の施策を打てる。分析サービスを提供できるかどうかも、ベンダー選択の重要な要素となる。
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執筆=岩崎 史絵
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