ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2020.02.19
会社が社員の採用を決定したときには、内定者から一定の書類の提出を受ける必要があります。この書類については、会社によってまちまちであり、自分の会社がどのような書類を必要としているのかを洗い出しておく必要があります。その上で、就業規則や内規などにも明示しておきましょう。
入社承諾書
社員を採用するに至ったとき、この社員に対して、積極的にアプローチをしておきましょう。これを怠ると、採用予定者の熱が冷めてしまったり、迷いが生じたりして、入社する意思を失ってしまう可能性があります。そうなると、採用はまたゼロからやり直しになり、時間もお金も労力も、無駄にかかることになります。
採用する社員を決定したら、まずは図表1に示した「入社承諾書」のようなものを受け取り、その意思を確認しておきましょう。
■図表1 入社承諾書(ダウンロード)
採用予定者に提出を義務付ける書類
一般的に会社の就業規則には、採用された社員が提出しなければならない書類などについての規定があります。これがなければ、社員を採用するたびに提出書類がまちまちになってしまったり、担当者が代わるたびに、どうしてよいか分からなくなったりしてしまいます。会社が社員を採用する際に提出を義務付ける書類などについては、図表2のような形で就業規則に規定しておきましょう。
■図表2 会社が社員を採用する際に提出を義務付ける書類の例(就業規則の規定例)
この中の「6. 身元保証書」と「8. 通勤経路届」については、その書式を個人に任せるのではなく、会社で作成したフォーマットを用意しておく必要があります。
身元保証書
社員が会社に損害を与えた場合、本人に弁済能力がなければ、身元保証人に弁済してもらうことになります(図表3参照)。これが「身元保証人」の制度です。身元保証人は、両親などの親族が引き受ける場合が多く、身元保証人を立てることによって、その人に迷惑をかけるわけにはいかないという抑止力が働きます。
■図表3 身元保証書(ダウンロード)
身元保証に関する法律により、身元保証の契約期間は、特に定めがない場合は原則として3年間となります。また、契約の中でその期間を定めた場合であっても、「上限は5年間」です。時々、いわゆる自動更新条項が入っている書類を見受けますが、身元保証契約は、これを認めていませんので、その条項については無効となります。仮に、3年、または定められた期間を超えて、引き続き身元保証を必要とするのであれば、期間が満了するたびに、この身元保証の契約を結び直す必要があります。
身元保証契約については、2020年4月に予定されている民法の改正により、極度額(保証人が保証契約によって責任を負う上限額のこと)を定めなければならなくなり、また、保証人に対して情報を提供する義務が課されます。なお、書面により極度額が定められていない保証契約は無効となりますから注意が必要です。
通勤経路届
通勤経路については、合理的かつ最短なものである必要があります。「通勤」の定義については、労働者災害補償保険法に規定されています。言い換えれば、労働者災害補償保険法に規定された「通勤」に該当しない場合は、社員が会社の通勤途中の事故などによる負傷、あるいは通勤に起因する疾病などを患ったとしても、原則として、労働者災害補償保険で補償する通勤災害とは認められません。会社の通勤の定義も、これに沿っておくことが無難です(図表4、図表5参照)。
■図表4 通勤の定義(労働者災害補償保険法第7条第2項)
■図表5 通勤経路(変更)届(ダウンロード)
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