この時期、東京出張のビジネスパーソンにとって、どこで食事をするのかは大きな問題です。自主休業や時短営業など店の対応もさまざま、三密を避けて食事ができる店を探すのに苦労されているのではないでしょうか。お店にとっては安心できる食事の提供に工夫を凝らしたり、持ち帰り弁当を始めたりという店が少なくありません。そこで、しばらくの期間は、テークアウト可能なお店、オープンテラスなどで食べられるお店を中心に紹介していきます。
さて、今回案内するのは、東京駅から歩いていける京橋エリア、昭和26年に創業した焼き鳥の名店「京橋 都鳥」です。コロナ禍の影響から、人気メニューのテークアウトを始めました。ランチは風抜けの良い店内でも楽しめますが、新幹線へ乗り込む前に、出来たてホカホカの伝統の味を持ち帰るのもオススメです。
創業昭和26年、風情あるたたずまいの「京橋 都鳥」
宮内庁もお墨付きの鳥料理
京橋 都鳥はJR東京駅八重洲口から徒歩3分の立地にあります。昭和26年から4代にわたり、この地で営業を続けており、宮内庁御用達のお店としても知られています。
もちろん、京橋周辺のビジネスパーソンからも、本格鳥料理が食べられる店として支持されています。残念ながらディナータイムは時短中ですが、現在は、通常のランチ営業に加え、持ち帰り弁当をスタートしています。帰りの新幹線でつまみにもなる弁当は、きっと気に入ってもらえるはずです。
持ち帰り弁当は、「唐揚げライス」「三本丼」「三色丼」の3種から選べます。少々冷めてもおいしく食べられるとのことですが、この日は店内で味わうことにしました。自慢の「やきとり」3種類がぜいたくにのるという「三本丼」(持ち帰り1100円、店内では鳥スープとお新香付き:1200円)を頼んでみましょう。
たれがけのモモとつくね、塩振りの手羽先が乗る「三本丼」
丁寧な仕事を重ねた「やきとり」の味
かつて、宮内庁の園遊会でも振る舞われたという、秘伝のたれをたっぷりかけた都鳥の「やきとり」。まずは、たれがけのモモとつくねを、次に塩を振った手羽先を食べ進めます(店内用は手羽先が鶏モツになります)。
炭であぶられた焼き色のモモ肉はツヤツヤとした照りが輝き、かむと想像以上にふっくら柔らか。たれの香りが立つも甘さは控えめで、肉のうま味が口中に広がります。自家製のつくねは、つなぎの山芋以外は余計なものをほとんど入れず、丸くこねた後に一度蒸す手間をかけてあります。いずれも肉質の良さにこだわった老舗の味が堪能できます。手羽先は小ぶりでつかみやすく食べやすい大きさ。絶妙な塩加減で、口からスッと骨を引き抜けばパリッと香ばしい皮と手羽を丸ごと味わうことができます。たれの絡んだのりがまた名脇役、丼ご飯をさらに美味なるものに仕上げています。
今回はテークアウト用を特別に店内でいただきました
うま味をグッと練り上げた、こだわりの自家製つくね
コラーゲンたっぷりの手羽先。骨はスッと抜ける(店内用は鶏モツを使用)
がっつり王道の限定「唐揚げライス」…
[caption id="attachment_33321" align="aligncenter" width="400"] 唐揚げにも老舗ならではの工夫と味が詰まっている[/caption]
限定50食の「唐揚げライス」は、串物と人気を分ける店の鉄板メニューです。こちらも冒頭に紹介した通り、持ち帰りすることができます(持ち帰り1200円、店内ランチセット1400円)。
皿の上には大きなモモ肉の唐揚げが4枚、味のベースはしょうゆです。一口食べると、薄い衣のサックリとした歯応えとともにモモ肉がほろり、その柔らかさに驚かされます。
ニンニクを使っていないのにコクがあり、その滋味にあふれた味わいには、何だか懐かしさも感じます。4枚をペロリと食べ終わっても脂っぽくなく、とてもヘルシーです。
[caption id="attachment_33322" align="aligncenter" width="400"] 衣は薄く、滋味深い。お酒が欲しくなる唐揚げ[/caption]
これまたうまい特製スープは店内で
ランチセットに付いてくる鳥スープ、実はこれが絶品です。夜のうちから、刻んだ野菜と鶏がらをコトコト煮詰め、アッサリした味になるよう粗塩のみで仕上げているというスープは、スッキリと澄んでいるのに味わい深いのが特徴です。それだけに常連さんにも人気といいます。このスープをアテに酒を飲むという人がいてもおかしくないでしょう。生のしょうが汁を加えてあり、スープが運ばれてくると良い香りがふわっと鼻をくすぐります。
持ち帰りでは付かない鳥スープは、1Fカウンターのほか、対面座りをなくして横座りにレイアウトし直された2F席で、ゆっくりと味わってください。
[caption id="attachment_33323" align="aligncenter" width="400"] 疲れた心と体に染みわたる極上の鳥スープ[/caption]
「イートインもテークアウトも関係なく、納得の味を追求しています」と語る料理長の心意気は、食事はもちろんですが、玄関、通路、テーブルに至るまで行き届く手入れからもそれは感じられます。
大変な時ですが、長年愛されている老舗の工夫と姿勢で、何とか乗り切ってほしいと思いました。京橋エリアなら5人前からのオーダーでお弁当のデリバリーも可能とのこと。テレワークできない現場仕事があれば、ぜひ前日予約で利用してみてください。
※文中にある金額はすべて税込み価格です
※掲載している情報は、記事執筆時点(2020年5月)のものです
京橋 都鳥[きょうばし みやこどり]
東京都中央区京橋1丁目4−10
◆東京メトロ銀座線「京橋駅」7番出口 徒歩3分
JR「東京駅」八重洲出口 徒歩3分
・営業時間(月〜金)
・ランチ/ 11:30~14:30(売り切れ次第終了)
・ディナー/ 17:30~20:00(※)
・定休日 / 土日祝
※現在、時短営業中。酒類の提供は19時まで。
※今後のCOVID-19対策によって対応が変わる可能性があります。
詳しくは公式HPをチェック
03-3245-1378
・公式HP
http://www.miyakodori.jp/