エクセルは表やグラフだけでなく、図形も扱うことができる。挿入方法はよく知られているが、今回はもう少し踏み込んだ使い方を紹介する。複数の図形を均等に整列させたり、複数の図形をグループ化してまとめて扱えるようにしたりする方法だ。正円や正方形を簡単に描く方法も覚えておくと便利である。ちょっとした知識や工夫で図形の扱いが楽になり、作業時間を短縮できる。
同じ図形を複数描く場合、1つひとつ描かない方がよい。同じように描いたつもりでも大きさなどが少し違うことがあるため、見た目が良くない。1つの図形を描き、それをコピーするのをお勧めする。
1つの画像を描いた後は「Ctrl」キーや「Shift」キーを活用して同じ画像をコピーし、水平方向や垂直方向にきっちり並べると効率的に美しく複数の画像を配置できる。
しかし、画像はコピーして同じ大きさや形のものを複製したとしても、きれいに並んでいないと見栄えが良くない。これらを整列させる方法がある。
[caption id="attachment_54711" align="aligncenter" width="546"]
最初の画像をクリックして選択し、次の図形をクリックする時に「Ctrl」キーを押す[/caption]
[caption id="attachment_54712" align="aligncenter" width="544"]
図形をクリックする際に「Ctrl」キーを押すことにより、複数を同時に選択できる[/caption]
[caption id="attachment_54713" align="aligncenter" width="600"]
3つの画像を選択し、「図形の書式」タブの「配置」グループにある「オブジェクトの配置」をクリックし、「上揃え」を選択する[/caption]
[caption id="attachment_54714" align="aligncenter" width="542"]
これで一番上にある画像の上端に、ほかの画像の上端が揃う[/caption]
「オブジェクトの配置」で「上揃え」ではなく、「上下中央揃え」を選んでもよい。一番中央にある画像にほかの画像の中央ラインが揃う。
[caption id="attachment_54715" align="aligncenter" width="600"]
選択状態を保ったまま、同じように「オブジェクトの配置」から「左右に整列」を選択する[/caption]
[caption id="attachment_54716" align="aligncenter" width="541"]
これで水平方向の間隔も揃い、きれいに整列した(上)。ここでは分かりやすくするために図形の選択は解除し、目盛り線を非表示にしたものも提示した(下)[/caption]
図形をグループ化する
図形は、任意の複数の図形をグループ化できる。グループ化とは複数の図形を1つのオブジェクトとして扱えるようにする、ということ。そうすることにより、整列された状態を保ちつつまとめて移動したり大きさを変更したりできるので、非常に便利だ。
まず、グループ化したい任意の図形をすべて選択する。ここで選択する図形が重なっていたり大量にあったりすると、手間がかかる。そういう時に試したい方法を紹介する。
[caption id="attachment_54717" align="aligncenter" width="600"]
「ホーム」タブの「編集」グループから「検索と選択」を選び、「オブジェクトの選択」をクリックする[/caption]
[caption id="attachment_54718" align="aligncenter" width="600"]
選択モードになるので、選択したい図形をすべて囲むように範囲指定する[/caption]
[caption id="attachment_54719" align="aligncenter" width="600"]
これで選択したい画像が一気に選択できた[/caption]
[caption id="attachment_54720" align="aligncenter" width="600"]
「図形の書式」タブの「オブジェクトのグループ化」から「グループ化」を選択する[/caption]
[caption id="attachment_54721" align="aligncenter" width="600"]
これで3つの図形がグループ化され、1セットとして扱えるようになった[/caption]
図形をグループ化すると均等な間隔を保ったまま移動したり、3つの図形を同じ大きさに拡大縮小したりできる。グループ化を解除したい場合は、グループ化された図形を選択した状態で「オブジェクトのグループ化」から「グループ解除」を選ぶ。グループ化している場合は「グループ化」はグレーアウトしており、「グループ解除」しか選べないので迷うことはない。
正円、正方形、正三角形を簡単に描く
円、四角形、三角形の図形は、ドラッグする方向によって縦長になったり横長になったりする。元から正円、正方形、正三角形といったテンプレートが用意されているわけではない。そのため、横方向と縦方向を均等にドラッグしなければならず、手間がかかる上に完璧には描けない。しかし、ドラッグの際に少し工夫すればこれらの図形を簡単に描ける。
[caption id="attachment_54722" align="aligncenter" width="600"]
「挿入」タブの「図」グループから「図形」をクリックし、描く図形を選ぶ。基本図形の丸い図形を選ぶと「楕円」と描かれていることが分かる[/caption]
[caption id="attachment_54723" align="aligncenter" width="600"]
ドラッグして描く際に「Shift」キーを押すと、上下左右が均等に拡大していく[/caption]
[caption id="attachment_54724" align="aligncenter" width="600"]
正三角形や正方形も同様に「Shift」キーを押しながら描くと簡単に描ける[/caption]
大きさを変える際も、四隅のいずれかをドラッグすると、縦横比を保ったまま拡大縮小できる。
【ダウンロード】
「時短エクセル」 エクセルで図形を簡単に描き自在に操る のお試しファイルのダウンロードはこちらから(Excelファイル)
※解説用画面はWindows 11上でMicrosoft 365のExcelを使用。一部メニュー名などが異なる場合がある