急務!法対応(第13回)自動車の「OBD検査」が10月からスタート。準備は万全?

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公開日:2024.10.11

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 2024年10月から、車検に電子装置の検査「OBD(On-Board Diagnostics 車載式故障診断装置)」検査が追加された。対象は2021年10月以降の新型(フルモデルチェンジ)の乗用車、バス、トラック。輸入車は2022年10月以降の新型車で、検査開始は2025年10月以降の車検において実施される。

 検査対象となる車は車検証の備考欄に「OBD検査対象」との記載がある。では、OBD検査とはどんなものなのだろうか。検査場・整備工場はもちろん、車検を依頼する企業の管理者や一般ユーザーも理解しておきたい。

電子装置の異常を記録する「OBD」

 近年、自動ブレーキや自動車間距離制御などの自動運転技術の進化、普及が急速に進んでいるが、万一、故障した場合には誤動作による重大事故につながりかねない危険性がある。実際、上り坂を走行中、自動ブレーキが誤作動し、急減速したといった電子装置の不具合の事例が報告されている。原因は、自動ブレーキのレーダーセンサーの取り付け角度が設計値よりも下向きになっていたためだ。こうした電子装置の不具合は、従来の車検では検出できなかった。

 OBDとは、エンジンやトランスミッションなどを制御する電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)内部に搭載される故障診断装置のことだ。ECUは、自動車が安全性能や環境性能を発揮するためにセンサーからの信号などに基づいて最適な制御を担う。万一、断線やセンサーの機能異常などの不具合が生じた場合、その情報をOBDに自動的に記録する仕組みになっている。

 OBD検査の対象となる装置は、排出ガス等発散防止装置、運転支援技術(アンチブレーキシステム、横滑り防止装置、自動ブレーキ、ブレーキアシストシステム、車両接近通報装置)、自動運転技術などだ。OBDによる故障診断の結果、不具合があると判断した場合、ECUに故障コード(DTC:Diagnostic Trouble Code)を記録する。

 このDTCは対象のシステム・装置や故障内容に応じてコードが定義され、国際標準規格などで規格化されている。自動車メーカーなどは故障コードの読み取りに必要な技術情報(ECU情報)および保安基準不適合の故障コード(特定DTC)を独立行政法人自動車技術総合機構に提出する。同機構で一元管理し、全国の検査場・整備工場へ無償で提供される。

検査用スキャンツールを使って故障コードを読み取る…

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執筆=山崎 俊明

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