ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
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公開日:2017.01.23
江戸時代、各藩から将軍や朝廷に差し出された献上品。地元の特産からえりすぐったその品々は、藩にとって自慢の逸品でした。この連載では、そんな逸品の中から今に伝わる「将軍様のお気に入り」を、当時のエピソードとともに紹介していきます。
今回紹介するのは、大天守のリニューアルが記憶に新しい姫路城下で誕生した染め物「高砂染(たかさごぞめ)」です。
高砂染の「高砂」とは、兵庫県姫路市の東に位置する高砂市の名所「高砂神社」に由来します。高砂神社には、雌株と雄株の2本の松が寄り添って生えている「相生(あいおい)の松」がまつられています。その姿は、1つの根から2本の松が立っているように見えます。このことから、夫婦が深く結ばれ、共に長く生きることの象徴であり、能や謡曲の題材としても親しまれています。
この相生の松は、縁起が良い「吉祥文様」としても知られ、さまざまな工芸品にも用いられています。高砂染も、この模様を取り入れた工芸品の1つ。深みのある藍や黒色で染め出した布地に、相生の松をそのまま描くのではなく、松の枝を網目のように張り巡らせているのが特徴です。
この高砂染の起源については、現在の姫路城を築城した池田輝政が高砂地域の産業奨励として売り出したとするもの、姫路で染物屋を営んでいた相生屋勘右衛門が創始したとするものの2説があり、誕生した時期も創始者もはっきりとは分かってはいません。しかし姫路と高砂は、どちらも姫路藩の藩域であり、この地域で生まれたことは確かです。
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執筆=かみゆ歴史編集部(www.camiyu.jp)
歴史コンテンツメーカー。歴史関連の書籍や雑誌、デジタル媒体の編集制作を行う。ジャンルは日本史・世界史全般、アート、日本文化、宗教・神話、観光ガイドなど。おもな編集制作物に『日本の山城100名城』(洋泉社)、『一度は行きたい日本の美城』(学研)、『戦国合戦パノラマ図鑑』(ポプラ社)、『系図でたどる日本の名家・名門』(宝島社)、『大江戸今昔マップ』(KADOKAWA)、『国分寺を歩く』(イカロス出版)など多数。お城イベントプロジェクト「城フェス」の企画・運営、アプリ「戦国武将占い」の企画・開発なども行う。
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