人間関係で悩まない!苦手な人が気にならなくなる技術(第6回)強みを生かしチーム力を発揮する(下)

コミュニケーション

公開日:2018.11.06

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 人には必ず強みがあります。「強み」と聞くと、人と比較して秀でているところと考えがちですが、決してそうではありません。普段から当たり前にできているパターンに気付き、必要なときに出して、生かすことが強みになるのです。

 ここからは、チームの中で自分の役割を見つけるためにも、自分の「強み」が何なのかを一緒に考えていきたいと思います。

互いの「強み」を生かせば、相乗効果に

 皆さんは、「自分の強みを10個挙げてください」、と言われたらすぐに答えられますか?

 ママ向け講座の中でも自分の強みを書き出すという宿題を出すのですが、みんな最初はなかなか書き出せません。せっかくの自分の強みを意識できていないのは、もったいないですね。

 自分自身の強みを見つけるためにお勧めなのが、上司や同僚、友達、家族など身近にいる人たちに幅広く聞いてみることです。「そんなの、人に聞きにくい」と思って行動しないのはソンですよ。

 また、褒められたときは、「いやいや、そんなことないよ」なんて謙遜せずに、「ほんと?具体的には?」「例えばどんなところが?」と詳しく聞いてみてください。自分では欠点だと思っていたことが、実は強みだったりすることもあります。

 以前、私は自分の声が嫌いでした。アナウンサーみたいに奇麗な声ではないし、ハスキーだし。でも、あるとき、思いがけず友人に声を褒められたことがありました。「高過ぎず低過ぎず、聞きやすくてすごくいいね」と。そこから、嫌いだった自分の声は強みなのだと受け取ることにしました。そうすると、セミナーの受講生たちからも「声が好きです」と言われるようになったんです。声なんて、自分の努力とはまったく関係のない親からのギフトですよね。だから、自分では意識しないし気付きにくいもの。

 こんなふうに、人から見た自分に触れてみると、意外な発見があるかもしれません。強みは自分で認識した瞬間から、あなたの武器になります。

 私は自分の声が受け入れられませんでしたが、聞く人にとっては心地よく聞こえるのだと受け取った瞬間から強みになりました。ないものを努力して習得するのではなく、既にあるものに気付くだけ。“見留める”だけなのです。

 1つ、お互いが強みを生かし合って成功した事例を紹介したいと思います。

 イベントの企画・運営をしているある女性社員の職場に、3歳年下の男性社員がいました。彼は熱意を持って仕事に取り組み、とても優秀でした。いろいろなことを改革していきたいと考えていましたが、この職場では、前例通りに仕事を進める風潮が強かったため、事あるごとに、「そんな仕事のやり方してどうするんですか? みんなどこ見て仕事してるんですか?」と、相手が誰であっても、突っかかっていたそうです。

 そのため、せっかくいい視点、いい才能を持っていても、上司はマイナスにしか受け止めず「生意気だ」という評価の下、言い分は受け入れられませんでした。そして彼はさらに意固地になり、周りの人と戦ってしまうという悪循環に。

 そんな彼と彼女が、チームを組むことになりました。周りからは、「彼と組むなんて大変だね……」と同情されたそうです。

 実際に組んでみると、やはり歯に衣(きぬ)着せぬ物言いもあり、最初は大変だったようです。それでも、仕事に対する熱意、企画力、効率的に仕事を進める力など彼の才能には目を見張るものがあり、彼女は「すごいね」「この才能あるよね」と言い、“見留め”ていたそうです。

 すると、彼のほうも少しずつ「先輩のここは才能ですよね」と逆に彼女の強みを言ってくれるようになりました。2人はお互いの強みを理解し合い、相乗効果でどんどん成果を出したそうです。彼らは2年ほどチームを組み、これまでにない新しい企画をいくつも立ち上げることができました。

 「なぜあんな彼とうまくいっているのか、仲いいねと、周囲からは驚かれました。でも、私たちは気が合っているのではなく、同じゴールに向かってお互いにないものを補い合い、強みを“見留め”合っただけ。それができたから、いい仕事をすることができたんです」と彼女は話していました。

自分の弱みを“見留め”れば、力は倍に!…

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執筆=山﨑 洋実

コミュニケーションコーチ。1971年静岡県生まれ。大手英会話学校勤務時代に、接客&人材育成の楽しさを知る。2000年にコーチングに出合い体系的に学ぶうちに、これまでやっていたことがコーチングだったと知る。出産後、身近なママ友向けに始めた講座「ママのイキイキ応援プログラム」は常に笑いあり、涙ありで心に響き、かつ本質を伝える講座として瞬く間に全国区へ。講座内容が仕事にも役立つことから企業研修、講演会を全国で開催。

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