ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
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公開日:2020.10.26
心と体の両面で健康を保ち、生産性を上げる方法を紹介する連載の第5回と第6回は記憶力を取り上げています。前編の第5回は記憶力について説明し、なぜそれが衰えるのかを解説しました。今回、後編の第6回では、具体的な記憶力アップのコツや記憶力をアップする食事について紹介します。
前回、健康な人の覚える力は年を取ってもほとんど落ちず、落ちるのは、思い出す力「想起力」であることを紹介しました。それではどのようにすれば、思い出す力を高めることができるのでしょうか。
1つの方法として、場所と結びつけて覚えると、思い出しやすくなります。記憶をつかさどる脳の海馬には場所ニューロンがあります。場所ニューロンは空間の認識をつかさどっていて、自分がどんな空間にいるかを認識して覚えます。生き物にとって場所の認識は重要であるため、場所と結びついた記憶は強固であり、思い出しやすい情報です。
場所ニューロンを利用して、ものごとを覚えようとするときには、自宅など実際の場所や自分の体の部位、あるいは架空の場所でもいいので、場所と結びつけて記憶しましょう。
例えば、「りんご」と「本」と「馬」を順番も含めて覚えるときは、自宅のキッチンに置かれたりんごを思い浮かべ、キッチンから出て書斎の本棚の前に移動して本を眺め、外に出て馬を見るイメージを思い浮かべて覚えます。思い出すときは自宅のキッチンを思い浮かべるとりんごが、そこから書斎へ移動していくところを思い浮かべると本が、そして自宅から外へ出るところを思い浮かべると馬が思い出せます。さらに実際にその場所に足を運んで、そこでそれぞれを覚えると、個人的な経験と結びついたエピソード記憶になり、さらに忘れにくく、思い出しやすくなります。
記憶したいことがあるときに長時間覚えようと頑張ると、脳の働きが鈍り、覚えられません。例えば50分暗記に努めたら、10分休憩した方が、しっかりと覚えることができます。
睡眠は記憶に重要な役割を果たしています。睡眠中に、寝る前に覚えたことを近時記憶や遠隔記憶として、脳の中で収納し直します。従って、睡眠が足りないと、脳に記憶をとどめておくことができません。記憶に努めた後は、しっかりと睡眠を取りましょう。
昔は友だちの電話番号をたくさん覚えていたのに、携帯電話を持ち歩くようになり、電話帳アプリを頼るようになってから、電話番号を覚えられなくなっていませんか。かつて電話番号をよく覚えておけたのは、何度も電話をかけて、そのたびに思い出し、指で番号をなぞったからです。それにより思い出す信号がしっかりとつながりました。従って、しっかり覚え、必要なときに思い出せるようになりたいなら、覚えた後に、何度も思い出すことです。
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執筆=森田 慶子
医療ライター。1996年から、主に医師をはじめとする医療関係者向けの専門的な記事を執筆。2005年から患者向けや一般向けの医療や健康に関する記事も執筆。特に糖尿病や高血圧といった生活習慣病と、睡眠や認知症、うつ病などの精神科領域を専門とする。
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