ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2022.11.01
労働者がメンタルヘルス不調になった場合、事業者側の相談先としては、日ごろから労働者の健康管理などについて相談に乗ってもらっている産業医(嘱託産業医)、EAP(従業員支援プログラム)企業など外部の専門機関、労働者側の主治医(かかりつけ医)が考えられます。主治医への相談は、労働者の同意を得ることが前提です。
メンタルヘルス不調者に対する実務上の対応で最も基本的なことは、正しい知識のない者が不用意な対応をしないこと。医療機関での受診を促す際も、一定の配慮が必要です。
●産業医(嘱託産業医)
常時50人以上の労働者を使用する事業場では、産業医を選任しなければなりません。また、労働者のメンタルヘルス不調を未然に防止するために、ストレスチェックを実施しなければなりません。
ストレスチェックは医師や保健師を通じて実施しなければならず、また、ストレスチェックの結果、「高ストレス者」と判定された労働者が申し出た場合、医師による面接指導が必要となります。ストレスチェックの実施や高ストレス者への面接指導は、職場の状況を理解した医師が担うことが望ましく、その点、日ごろから労働者の健康管理などについて相談に乗ってもらっている産業医は適任です。
ただし、常時使用する労働者が50人以上999人以下の事業場は、専属産業医を選任する必要はない(有害業務に常時500人以上の労働者を従事させる場合を除く)ため、非常勤の嘱託産業医を選任するのが一般的です。嘱託産業医が、必ずしも精神疾患の治療経験や専門知識を持っているわけではありません。中には、メンタルヘルス関連業務について消極的な産業医もいるようです。
●EAP企業など外部の専門機関
ストレスチェックの結果、医師による面接指導を申し出る場合、その申し出は事業者を介して行います。その際、労働者は自身が「高ストレス者」であると事業者側に知らせることになるため、心理的なハードルが高いとも考えられます。
そのような中、EAP企業など外部の専門機関に委託し、労働者の相談を受け付ける窓口を設ける事業者も増えています。EAPはEmployee Assistance Programの略称で、メンタルヘルスケアなどについて従業員(労働者)を支援するためのプログラムです。
EAP企業など外部の専門機関の中には、労働者に対するカウンセリングだけではなく、事業者(経営者や人事担当者など)に対して、労働者のメンタルヘルスケアに関するコンサルティングを行ったり、メンタルヘルス関連業務に精通した産業医を紹介したりするところもあります。
●労働者側の主治医(かかりつけ医など)
労働者がメンタルヘルス不調で長期欠勤する場合、事業者は労働者が就業規則などの休職事由に該当するかを判断するため、医師の診断書を求めることになるでしょう。また、メンタルヘルス不調で休職中の労働者の復職について、事業者の有力な判断材料となるのが医師の診断書です。
労働者の同意を得た上であれば、事業者が労働者側の主治医に職場や業務の実情、労働者の勤務内容などを説明し、復職の可否について意見を求めることもできます。労働者の同意を得るのは簡単ではないかもしれませんが、復帰後に働ける状態にあるか否かを証明する責任が労働者側にあるのも事実です。なお、主治医と面会する際は、労働者の同意を得ていると主治医に明らかにするために、当該労働者を同席させる場合もあります。
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執筆=日本情報マート
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