ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2015.09.24
私は企業の人事部や教育研修担当の方と話すとき、「皆さんの会社ではどのような教育をしていますか?」と必ず聞きます。すると「うちの会社は説明会でけっこう厳しいことを言っているから、(新入社員の心がまえができていて)大丈夫です」という答えが多く返ってきます。
しかし、これはたいていの場合、間違っています。会社と新入社員の関係は、恋愛に似ています。恋愛は、相手を好きになるときに、良いところを見て好きになりますよね? 好きになるときは、相手の悪いところは見えません。
相手が「私は、わがままだよ?」と言っていても、好きになるときはそれが気になりません。いざ、付き合い出してから「お前はわがままだなぁ?」「だから言ったじゃん?」と徐々に悪いところが気になり出します。
その会社に入ることを選んだ新入社員にとって、説明会で良いところ、悪いところの説明を両方受けたとしても、良いところが気に入っているから、入社するわけです。悪いところの説明は頭に入りません。新入社員の会社への期待値は、こうして上がります。その期待値がぐっと上がった新入社員に対して、一般的な新入社員研修で何を教えているでしょうか?
仕事に取り組む姿勢や、やる気を養う「モチベーション教育」あるいは実際の業務に必要な専門知識や社会人としてのマナーを教える「スキル教育」「知識教育」がほとんどです。 ここで、新入社員の職場に対する期待値は、さらに上がります。「ようし、やってやるぞ」と思うわけです。ところが実際の現場は、新入社員にそんな活躍を期待していません。それどころか、ゆとり世代が社会に出始めて以降、上司世代の新入社員に対する期待は年々下がっています。
メンタルが弱く、叱ればすぐに落ち込み、パワーハラスメントだと騒ぐ。私の経験から言って、現在の上司世代は新入社員が嫌いで、いらないと思っている人のほうが多いです。新入社員の現場に対する期待の大きさと、現場の新入社員に対する期待の小ささ。ここに大きなギャップがあるのです。
従来通りの新入社員研修では、このギャップを調整することが難しくなっています。結果、期待を高めた新入社員が現場の厳しさにぶち当たり、大きなギャップで心が折れてしまうのです。人事部は新入社員にとって、「大丈夫か?がんばろうね」とやさしく励ましてくれる、学校の先生のような存在です。それが人事部の仕事ですから仕方ありませんが、ちょっと問題があります。
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柘植 智幸(じんざい社)
1977年大阪生まれ。専門学校卒業後、自分の就職活動の失敗などから、大学での就職支援、企業での人財育成事業に取り組む。就職ガイダンス、企業研修、コンサルテーションを実施。組織活性化のコンサルティングや社員教育において、新しい視点・発想を取り入れ、人を様々な人財に変化させる手法を開発し、教育のニューリーダーとして注目を集めている。さらに、シンクタンクなどでの講演実績も多数あり、毎日新聞、読売新聞、産経新聞、経済界、日経ベンチャーなど多数のメディアにも掲載される。
【T】
“ゆとり君”と働くために覚悟しておくこと