ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2015.11.12
ゆとり世代には「ビニールハウス症候群」の傾向があります。環境の良い、暖かいビニールハウスの中で、ぬくぬくと育ちたいと考える人たちのことです。きれいなオフィスで、おしゃれなデスクに座って最新型のパソコンを与えられる。そういう、いたれりつくせりの環境で働きたいという、まさに環境依存・他責型人間の典型です。こうした人間は、逆境や困難に直面したとき、すぐに心が折れたり、逃げたりしてしまいます。
例えば、自分がひまわりの種だとして、砂漠にまかれたらどうなるでしょうか?「すみません、僕はひまわりなんで、砂漠じゃ育たないんですけど」と言うのが環境依存・他責型人間です。「砂漠でも育つように自分が変わればいいじゃないか」。この考え方を彼らに持たせることができれば、ビジネス社会に適応できるようになります。
会社に入って1年目、仕事がなかなかうまくいかないという経験は、上司世代を含めてみんながしています。社会に出れば、自分が思っていたよりうまくいかないことのほうが多かったはずです。これまでの世代は、集団の中で誰がうまくいって、誰が失敗したかを知らされてきました。相対的に誰が上手で誰が下手かということを、さまざまな局面で知らされ、経験してきました。
その経験の中で「あいつは成功したがオレは失敗した」というちょっとした屈辱の経験を積み重ねていますから、失敗に対する免疫力を大学生までの22年間で少しずつ身に付けてきています。ところがゆとり世代は、絶対評価の中で「昨日はできなかったが、今日はできた」という自分自身だけのことにしか向き合っていません。集団の中で、自分が上手か下手かという立ち位置の把握をしないまま、社会に出てきました。
極端な話、人生23年目で初めて「(職場という)集団の中で、自分だけがうまくいかないという状況」に直面するわけです。上司や先輩は自分たちも同じように、新入社員時代に失敗した経験をしていきていますから、「そんなものだろう」「できると思ってたわけじゃあないよね」と軽く言います。しかし、ゆとり世代の心の折れ方は尋常ではありません。それでみんな、「なんでだ?」と首をかしげてしまいます。
たとえていえば、ゆとり世代は無菌の水槽で育った魚を、汚い海にいきなり放したようなものです。上司世代はもともと、ある程度汚い川で育ち、その延長線上の海に出た。「うわぁ、いろんなのがいるなぁ」という感じです。汚い水の中での暮らし方は分かっています。これに対して、ゆとり世代は水槽で育ってきましたから、汚い水自体に面食らっています。海で出会うさまざまな困難をどうやって乗り越え、生きていけばいいのかが分からないのです。
大切なのは、「仕事がうまくいかなかったときに、何をしなければいけないのか」というパターンをしっかりと教えておくことです。仕事がうまくいかなかったとき放っておけば、ゆとり世代は責任を自分以外に求める「他責」に進んでいきます。
「上司が毎日面倒をみてくれないから、育たないし、やる気も出ません」
「やる気を上げてくれる上司と一緒に仕事がしたいです」
「自分のやる気が下がるような人は悪い人で、嫌な人です」
こんな「他責」の考え方を持ちやすいゆとり世代に、まずは自分の力で対応し、変わっていく「自責サイクル」の考え方を植え付けましょう。…
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柘植 智幸(じんざい社)
1977年大阪生まれ。専門学校卒業後、自分の就職活動の失敗などから、大学での就職支援、企業での人財育成事業に取り組む。就職ガイダンス、企業研修、コンサルテーションを実施。組織活性化のコンサルティングや社員教育において、新しい視点・発想を取り入れ、人を様々な人財に変化させる手法を開発し、教育のニューリーダーとして注目を集めている。さらに、シンクタンクなどでの講演実績も多数あり、毎日新聞、読売新聞、産経新聞、経済界、日経ベンチャーなど多数のメディアにも掲載される。
【T】
“ゆとり君”と働くために覚悟しておくこと