ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2016.02.10
「反省→検証・分析→改善→行動」のサイクルに入る。これが「教えられ上手(あるいは育てられ上手、怒られ上手)」になることです。ゆとり世代をいかにこのサイクルに入れるかが、最後のカギになります。
現在、ゆとり世代で最も問題になっているのが、やる気を失うことです。「入社前に抱いていた仕事のイメージと違うため、失望してやる気を失う」などと一般的には解説されています。しかしもう少し詳しく見ていくと、ビジネス社会で経験した「うまくいかないこと」に対して、指導されたり、怒られたり、小言を言われたりと、ゆとり世代にとって「小さな嫌な経験」をすることで落ち込み、それが積み重なってやる気を失っていくのが分かります。
ここには、先に説明した「他責」「自責」の考え方が大きく関係してきますが、最も基本的なのは「ビジネスではうまくいかないことのほうが多い」のが分かっていないということです。ほめられ続けて育ったゆとり世代は、あまり挫折を知りません。他人と競争して負けるという経験や、“うまくいかない”経験が少ないのです。つまり「うまくいかない」だけで未知の領域であるのに加え、「怒られる・叱られる」という未知の体験がさらに重なり、二重のショックを受けてしまうのです。
加えて、先に述べた通り、態度の横柄な上司と接するのもストレスです。その結果、「上司は自分を目の敵にしている」「上司は何も教えてくれない」と、責任を上司に転嫁してしまいます。もし、そういう態度を取られたら、上司であるあなたも「もうどうでもいいや」という気分になってしまうのではないでしょうか? ゆとり世代にはまず「ビジネス社会ではうまくいかないほうが多い」ことを理解させます。そして、うまくいかないときに「あきらめないこと、逃げないこと、立ち向かうこと」を教えましょう。
これは、相対評価で育った上司世代には当たり前のことです。学生時代までの経験で、たくさんの「うまくいかないこと」を経験していますから、時には挫折することもあったでしょうが、自然と「あきらめずに立ち向かう」という気持ちも鍛えられています。ところが、ゆとり世代は失敗や挫折の経験が少ないですから、社会人になってから「あきらめずに立ち向かう」ことを教えなければなりません。
失敗してもあきらめず、もう一度考えて行動する――。 こう書いてしまうといかにも当たり前ですが、ゆとり世代はその当たり前のことが難しいと思っています。上司がゆとり世代に期待しているのは「成功する」ではなく、まずは「失敗してもくじけない」であると繰り返し、すり込むことが必要です。
\ かんたん入力で登録完了 /
柘植 智幸(じんざい社)
1977年大阪生まれ。専門学校卒業後、自分の就職活動の失敗などから、大学での就職支援、企業での人財育成事業に取り組む。就職ガイダンス、企業研修、コンサルテーションを実施。組織活性化のコンサルティングや社員教育において、新しい視点・発想を取り入れ、人を様々な人財に変化させる手法を開発し、教育のニューリーダーとして注目を集めている。さらに、シンクタンクなどでの講演実績も多数あり、毎日新聞、読売新聞、産経新聞、経済界、日経ベンチャーなど多数のメディアにも掲載される。
【T】
“ゆとり君”と働くために覚悟しておくこと