ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2020.05.07
FULL POWER 科学が証明した自分を変える最強戦略
ベンジャミン・ハーディ 著
松丸さとみ 訳
自己啓発書です。原題を邦訳すると「意志力など役に立たない」になります。「自分を変える上で意志力は役に立たない」とし、代わりに「環境を整えること」の有効性とその方法を紹介します。
個人的な体験に基づく本ではありません。
組織心理学者が、神経科学から経済理論まで、さまざまな科学の成果と史実、そして膨大な実績を分析して導き出した行動能力の新説です。人間の能力に関する画期的な理論として、アメリカで発売された後、すぐに重版されました。日本でも話題になりました。自分を変える科学的な方法の指南書といえます。
能力は、才能や出自、まして意志の強さで決まるものではありません。置かれた状況、すなわち環境で決まるものです。例えば、経済的ステータスは住所で、自分の体重は友だちの体重で決まるなどといわれています。また、引っ越したことで7歳児の識字能力と睡眠時間が変化した例が紹介されます。「孟母三遷(もうぼさんせん)の教え」といいますが、本書はその有効性を科学的に裏付けています。
さらに「どんな環境が自分をふさわしい人間に変えるのか」「どうすれば、そんな環境がつくり出せるのか」など、具体的な方法にも踏み込みます。成功への洞察が詰まっています。
読めば、従来の成功法則が間違った俗説であることが分かるはずです。そして、正しい一歩が踏み出せるはずです。その結果、人生が大きく変わるはずです。
私もそうですが、年初や年度初めに誓いを立てても、すぐに怪しくなります。そのたびに自分の意志の弱さを呪うのでなく、悪いスパイラルを断ち切る方法を知ることで改善できます。著者は「意志の力は筋肉と同じだ」と言います。有限なリソースですから、使えば消耗します。だから、1日が終わる頃には、筋肉と同じように疲弊します。
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執筆=藤井 孝一(ビジネス選書WEB)
ビジネス書評家、読者数5万人を超える日本最大の書評メールマガジン『ビジネス選書&サマリー』の発行人。年間1000冊以上の書籍に目を通し、300冊以上の書籍を読破する。有名メディアの書評を引き受けるほか、雑誌のビジネス書特集でも、専門家としてコメント。著書は『読書は「アウトプット」が99%』(知的生きかた文庫)のほか、『週末起業』など、累計50冊超、うちいくつかは中国、台湾、韓国でも発刊されている。
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