ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
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公開日:2016.08.30
震度7を2度観測し大きな被害をもたらした熊本地震や、相次ぐゲリラ豪雨による水害など、社会生活や企業活動を脅かす自然災害が後を絶たない。さらに首都直下型地震や南海トラフ地震など、近い将来の発生が懸念されている。現時点では大規模な自然災害を未然に防ぐ有効な手立ては難しいものの、地域社会や企業、家庭が一体となって災害への備えを徹底すれば、被害を減らすのは不可能ではない。
企業防災は、建物の損壊や従業員の安全など災害の被害を最小化する防災の観点と、災害時にも企業活動を継続する事業継続の観点の2つを合わせて考える必要がある(内閣府 防災情報のページ)。ここでは事業継続計画(BCP)に絞って考えてみよう。
規模の大小にかかわらず、企業には社会的な責任が求められる。例えばサプライチェーンを構成する製造業の場合、部品などを供給する企業が災害で業務を停止することになればサプライチェーン全体に大きな影響を及ぼしかねない。
先の熊本地震でも自動車部品工場が被災し、自動車メーカーの生産ラインの一部が操業停止を余儀なくされたことは記憶に新しい。こうした事態を回避するためにも、自然災害で被害を受けたとしても業務が停滞しない仕組みや、業務が中断しても可能な限り短期間で業務を再開できる仕組みが必要になる。
それでは、BCP策定でどんな点に留意すればいいだろうか。内閣府防災担当が公表している「平成27年度 企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査」(平成28年3月)によれば、中堅企業の場合、リスクを特に回避したい経営資源として「社員・従業員等人的資源」「情報(データ、重要文書)」「情報システム」「事務所・店舗」「通信手段(固定電話、携帯電話、インターネット等)」が回答の上位を占める。経営資源として人、モノ、金、情報の重要性が指摘されて久しいが、災害から企業の情報資産をいかに守るかが経営課題となる実情が浮かび上がる。
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執筆=山崎 俊明
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