ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2020.03.25
世界各国に新型コロナウイルス禍が広がる中で、日本政府は、企業にテレワークの活用を推奨している。働き方改革の実現策、および昨年から東京オリンピック・パラリンピックの交通問題の解決策として導入が求められていた。現実は一部の企業を除くと、それほど力を入れていなかった感もある。しかし、今回のコロナウイルス問題で、事業継続のために中小企業も含めていやが応でも導入を検討しなくてはならなくなった。ただ、多くの企業はテレワークを行う環境が整備されていない。整備するには時間もお金もそれなりにかかる。
すでにテレワークは働き方改革を実現する具体策として注目されていたものの、実態としては「育児や介護といった事情を抱える一部の従業員を対象とするものだ」という認識が少なからずあるように思える。そのため環境整備については、全従業員がテレワークをするのを前提にしていない(図1)。
●図1 テレワークの分類
テレワークを急きょ導入したいと考えたときに、真っ先に浮上する課題がパソコンの用意とその運用体制の整備だろう。現在、パソコン抜きの業務はほとんど想像できない。ただし現状では、オフィスにあるパソコンはノートパソコンばかりではなく、持ち出せないデスクトップパソコンもまだまだ多いはずだ。また、コロナウイルスの感染者が見つかった場合、オフィスが立ち入り禁止になり、そこで使っていたノートパソコンも自宅に持ち帰れなくなる可能性もある。そうしたケースを考慮すると、基本的には従業員が自宅で使える専用のパソコンを、あらかじめ用意しておかなければテレワークに支障が出るということになる。
しかし、従業員自身がテレワークで使うノートパソコンを新たにそろえるには、それなりの費用を覚悟しなくてはならない。しかも、購入したパソコンを自社の業務で使えるように設定するには一定のスキルが必要で手間がかかる。使い始めてからも、ハード、ソフトに関するさまざまな問い合わせに、会社側は対応しなければならない。オフィスならパソコンに詳しい従業員が対応できても、分散する従業員の自宅からの問い合わせやトラブルに一つひとつ対応するのは難しいだろう。
セキュリティリスクにも配慮が必要だ。たとえテレワーク用にパソコンを調達できても、利用場所が分散し、ITリテラシーの高くない従業員が管理することになれば、情報漏えいやデータ紛失などのリスクは増す。パソコンはオフィスにあるIT機器の中でも、特に管理に手間がかかる代物だからだ。
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執筆=高橋 秀典
【MT】
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