脱IT初心者「社長の疑問・用語解説」(第82回)
ブルーライト対策にはうな重?
公開日:2019.02.20
生産性向上は企業規模を問わず、あらゆる企業で取り組むべき課題だ。その処方箋の1つ、定型業務のIT化において、今注目を集めているのがRPAによる解決だ。RPAはパソコンで行う業務を、アプリケーションまたぎで自動化する。企業のRPA導入実態および機能への評価はどうなっているか。その実態について、日経BPコンサルティングのアンケートシステムAIDAにて、同社保有の調査モニター3486人を対象に調査を実施した。
勤務先ではRPAを導入しているか。この問いに対し、「導入済み」と答えた企業は18.2%だった。リプレース検討層も含めると19.2%となる。一方、「導入しておらず導入予定もない」との回答は51.1%。「導入を検討している」「必要性を感じるが未検討」という、未導入だが導入意向のある層は3割程度となった(図1-1)。
【図1-1 RPAの導入状況(業種別)】
業種別で見ると、「導入済み」という回答は通信サービスが最も高く53.8%。続いて金融・証券・保険業が41.9%となった。ある地銀では、インターネットバンキングの振込取引の確認作業など、50のパソコン業務をRPAに代替させた。それにより捻出できた時間は、3万3000時間と試算される。金融・証券・保険業は、RPA導入に積極的に取り組んでいる業界だといえる(図1-2)。
【図1-2 RPAの導入状況(業種別)】
半面、RPA導入に後れを取っているのが政府・官公庁・団体、そして医療機関・介護施設だ。前者はこういった効率化に関し、本来主導すべき立場ともいえるが、「導入済み」回答は今回の調査ではゼロ(リプレース検討を含めると1.9%)。後者はわずか1.8%にとどまった。
「導入しておらず導入予定もない」と回答した比率が最も高かったのは、自営業の85.5%。それに続くのが、弁護士・会計士などの専門サービスで80.8%となった。パソコン業務自体が少ないとも考えられるが、個業傾向が強く、1人で完結する業務も多いと思われることから、「従来通りのやり方のほうが効率がよい」と思っている可能性が考えられる。
従業員数別に見てみると、全体的にはやはり中小企業の導入率が低い傾向にある(図1-3)。99人以下の企業では「導入済み」が0.9%。1万人以上の企業が48.5%なのと比べると、圧倒的に少ないのが分かる。さらに99人以下の企業では、82.8%が「導入しておらず導入予定もない」と回答した。
【図1-3 RPAの導入状況(従業員規模別)】
ちなみに、導入しているRPAシステムは、1位が「WinActor」(NTTマーケティングアクト 他)、2位が「UiPath」(ユーアイパス)、3位が「BizRobo!」(RPA テクノロジーズ)となった。2.6%ではあるが「自社開発」しているケースもある(図2)。
【図2 導入しているRPAシステム】
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調査・執筆 = 日経BPコンサルティング
【M】
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