ドキュメントファイルや写真、そして音楽などをコンピューターのハードドライブに保存していた日々は、もはや終わりを迎えようとしています。今やクラウドストレージにより、保存スペース不足の問題が解決されはじめています。
しかし、一つ気がかりなのは、果たしてネット上に出ている個人データが安全なのかということです。大事なデータを守るためには何に気を付ければよいのでしょうか。その答えは、2つの点を検討することにあります。
まず、データセキュリティというものが何によって構成されているのか判断することです。パスワードで保存場所にアクセスするだけでいいのでしょうか? それとも保存ファイルは全て暗号化する必要があるのでしょうか? 個人で判断する部分もありますが、セキュリティ上、誰もが注意するべきである重要なポイントがいくつかあります。
データは移行途中にキャプチャされる(盗まれる)可能性が可能です。幸い、ほとんどのストレージサービスが移行途中のデータを暗号化しますので、仮に何者かにデータをキャプチャされてしまったとしても読み取ることは不可能です。
使用しているクラウドストレージがWebアプリ経由である場合は、ブラウザのアドレスバーで「http」ではなく「https」とついているものを探しましょう。この最後の「s」は、セキュリティ対策が施されたセキュアなHTTPが使用されていることを示しています。コンピューターにインストールしてあるものが独立したクラウドストレージアプリであれば、そのアプリがインターネットのやりとりに何らかの暗号を使用していることを確認しましょう。
【3】ソーシャル・ハッキングに注意
コンピューター以上に人間の方が危険になる場合もあります。たとえテクニカルサポートの人間だと言われても、決してパスワードを人に教えないようにしましょう。セキュリティ上最も脅威となるものの一つは、ソーシャル・エンジニアリングと、ソーシャル・ハッキングです。これは、ハッカーとエンドユーザーの間で信頼関係を構築し、エンドユーザーが喜んで個人情報を提供するように促すものです。本物のテクニカルサポートのスペシャリストは、最低限の情報を聞き、それらはあなたがあなたであることを確認するためのものであり、パスワードを尋ねることはほとんどありません。
【4】サービスプロバイダ選びが大事
ハッカーは、最小限の方法で最大量の情報を得たいと考えています。そのため、クラウドストレージサービスの個人ユーザーではなく、クラウドストレージサービスの心臓部を攻撃する確率が高くなっています。
したがって、顧客のアカウントやデータ情報を安全に維持することで知られるサービスプロバイダを利用したいところです。どのプロバイダが最も努力をしてあなたの情報の安全性に努めているのか調べ、主なクラウドストレージプロバイダがどのようにしてデータ保護にあたっているのか見てみましょう。
安全なクラウドストレージの選択
次は、安全なクラウドストレージサービスを選ぶコツをご紹介します。大切なファイルを保存するためにクラウドストレージサービスを検討する際、まず最初に考えることは、そこに何を保存するか、そしてどの程度の頻度でアクセスするかということでしょう。たとえば病歴や家の財政状況に関する情報を保存するのであれば、音楽ファイルなどを保存する場合よりも、データの安全性が気になることでしょう。チェックすべき安全機能のいくつかは以下の通りです。
・物理的及びネットワーク上のセキュリティに定評のある会社
・サーバー故障などの万が一の場合に備え、あなたのデータのコピーが何部も存在し、紛失を防ぐ配慮がなされている会社。
・複数の地理的な所在地における冗長性が図られている会社。万が一、自然災害によってあなたのデータが破壊されてしまっても同じデータが他の場所で存在し、入手可能となる
・冗長性サーバーのファイルの削除が短時間で行われる会社。併せてクラウドストレージバンクから本当に削除されるかどうかも確認したい
クラウドセキュリティはこれまで、エンドユーザー用ストレージサービスに関してエンタープライズ用ほどに厳しいものではありませんでした。その結果、最善のクラウドストレージオプションであっても何らかの脆弱性があるものです。ほとんどのユーザーは恐らくこれら脆弱性をさほど気にしませんが、取り扱いを注意すべき機密情報を保存するのであれば考慮したいところです。
サービスの利用を開始する際、利用規約が表示されますが、長文であることから内容を確認せずに「同意する」ボタンを押していることはありませんか? あるいは仕事で利用するデータを個人的にクラウド上に保存していることはありませんか? セキュリティに関する気のゆるみが惨事を招きかねません。クラウドによって便利さが増したことは間違えありませんが、煩雑さと共にセキュリティへの意識も手放してしまわないよう、注意しましょう。
※掲載している情報は、記事執筆時点(2014年3月31日)のものです。