強い会社の着眼点(第19回)
古いルーターはリスクフル!買い替えポイントは?
公開日:2015.07.23
過去、不適切なマスコミ報道によって、一部の地域産の野菜がダイオキシンと関係があると誤解され、価格が大暴落したことがありました。現在も東日本大震災の影響で、原発事故とはまったく無関係と思われる企業も、原発から比較的近い場所にあるというような理由で、その企業活動に影響が出ています。
このように根拠のないうわさ話、虚偽の情報などによっていわれなき損害を受けることが、いわゆる「風評被害」です。放置をしていると、企業イメージの低下だけでなく、売り上げや株価の低下、従業員のモチベーションの低下にまで発展しかねません。そのため、企業ではこのような風評に対する予防・対策を施す必要があります。
「火のないところに煙は立たぬ」ということわざがあります。虚偽の情報発信も、基本的には、企業活動が原因となっていることが多いのです。
たとえば、その原因の1つに「苦情処理の失敗」というものが考えられます。企業が苦情に対して適切に対応したにもかかわらず、顧客は誠実に対応してもらえなかったと考え、ひどい会社であるなどと風評を発信することがあるのです。この原因としては、顧客が企業の苦情に対する回答の理由・根拠を十分に理解できていなかったり、誤解をしていたりすることが多いと思われます。
そのため、このような風評を防ぐためには、明確な苦情処理基準を公表し、これに基づきその根拠等を丁寧に説明することが重要となります。これにより顧客は、不合理な取り扱いをされた、自分だけが不当な取り扱いをされたなどと考えにくくなると思われるからです。また、いわれのない不誠実な対応をされたと言われないように、苦情対応の会話をすべて録音することも重要でしょう。
また、従業員が意識せずにSNSで投稿した私的な内容から、企業の風評が発生したり、従業員が企業情報やサービス内容を不用意に開示したりしたことから、その情報を閲覧した人の誤解を生み、風評が生まれることもあります。そのため、従業員に対し、就業規則などによって業務中のインターネットの利用を禁止するなど、一定のルールを設けるべきでしょう。また、研修等によりこれらのルールを周知させ、場合によっては懲戒処分にもなりうることなども周知すべきでしょう。
ほか、競業企業の不祥事などが、自社への風評の原因となる場合も考えられます。不祥事を起こした競業企業の仕入れ先と、自社の仕入先が同じではないかと疑われ、売り上げが落ちることもあります。
この原因としては、適切な情報開示がなされておらず、消費者等から、その不祥事と自社が無関係であることが認識できないことが考えらえます。このような誤解をなくすためには、日ごろから重要な情報について開示を行うとともに、業界内で不祥事が起こった場合には、早期に改めて自社の情報を開示・説明することが重要でしょう。
このように、無用の風評を防止するためには、企業の情報の適切な開示・コントロールが重要であると考えます。
上記のような対策をしていたにもかかわらず、事実とは異なる風評の書き込み等があった場合、どのように対応することが考えられるでしょうか。具体的に例をあげてみていきましょう。
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本間 由也
こだまや法律事務所 代表弁護士 /税務調査士
1982年生まれ。2004年明治学院大学法学部法律学科卒業、2007年明治学院大学法科大学院法務職研究科法務専攻卒業。翌2008年に司法試験合格。紀尾井町法律事務所での勤務を経て、2011年1月法テラス西郷法律事務所初代所長に就任。2014年2月こだまや法律事務所を東京都国分寺市に開所、現在に至る。
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