ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2015.12.21
下請け業者を守るために複数の法律やガイドラインがあります。これらを活用して、言いなりにならない下請け業者になりましょう。うちは下請けだから……。こう言って発注先の言いなりになっていませんか。下請け業者はどんなことでも我慢をしなければいけないのか。そんなことはありません。下請け業者を守るための法制度があります。今回はこの法制度を知って、言いなりにならないための“理論武装”をしてみましょう。
下請け業者を守るための法制度の1つとして、「独占禁止法」を知っている方は多いのではないかと思われます。独占禁止法では「取引上、強い力を持つ者が、取引の相手方に対し、その優越的な地位を利用して、正常な商取引では認められないような不利益を与える行為は許さない」という規制が含まれています。
では、「下請け代金支払遅延等防止に関する法律」(以下、「下請法」)はいかがでしょうか。この法律こそ、下請け業者のための法律なのです。この法律では業務委託を行う企業を「親事業者」、それを受託する企業を「下請事業者」と呼んでいます。それに従って以下では「下請事業者」という表記を使います。
下請法が“下請事業者のための法律である”という根拠としては、下請法は発注書などの書面の作成・交付・保管について定められているという点があります。
下請けいじめの典型例として、不当な請負代金の減額、給付内容の変更、受領拒否、支払期日の延期などがあります。これらの原因の1つは、発注や交渉経緯などが書面化されておらず、契約内容が不明確なことにあります。
下請法では、親事業者に発注書面(下請業者の給付内容、代金、支払期日、支払方法等を記載)の交付を義務づけています。そのため、この義務が果たされると、必然的に親事業者による理由なき代金の減額、給付内容の変更を防ぎ、支払期日が不明などといったトラブルも防ぐことができます。
また、親事業者に対し、下請け取引の経緯を記載した書類等の作成および2年間の保管を義務づけています。そのため、取引から2年以内であれば、親事業者に関係書類が保管されていますので、「資料がないから紛争解決が困難」という事態も防ぐことができるようになっています。
さらに、下請法では、親事業者の都合による下請け代金の支払い時期の変更、延期を防ぐために、たとえ下請事業者の同意があったとしても、下請け代金は下請事業者が給付をした日から60日以内に支払われなければならないこととされています。親事業者がこの支払期日までに支払わなかった場合、年14.6%の遅延損害金も支払わなければなりません。
このように代金支払いに関する親事業者の義務も定め、下請事業者を保護しているのです。
このほかにも、典型的な下請けいじめとして想定される、親事業者による下請け代金の支払い遅延、代金減額、返品、買いたたきや、不当な給付内容の変更、やり直し、受領拒否や返品の禁止などを行ってはならない旨の定めもあります。
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本間 由也
こだまや法律事務所 代表弁護士 /税務調査士
1982年生まれ。2004年明治学院大学法学部法律学科卒業、2007年明治学院大学法科大学院法務職研究科法務専攻卒業。翌2008年に司法試験合格。紀尾井町法律事務所での勤務を経て、2011年1月法テラス西郷法律事務所初代所長に就任。2014年2月こだまや法律事務所を東京都国分寺市に開所、現在に至る。
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