ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2016.08.15
消費者が商品やサービスを選ぶ際には、広告に表示された内容を元に判断をすることが多いと思います。そのため企業は、商品やサービスをより良く見せるために、消費者に向けて広告宣伝を行います。
その広告の内容に嘘があったり、誤解を招いたりすれば、消費者は合理的な選択ができません。そこで、企業が広告において、消費者に嘘をついたり、誤解を与える表示をしないように、いくつかの法律で不正確な表示をしないように制限を設けています。
そんな法律の中から、最近改正された「不当景品類及び不当表示防止法」、いわゆる「景品表示法」にて規定されている、広告のルールを確認してみましょう。
景品表示法では、以下の3点を基準に不当な広告を規制しています。
1つ目は、商品やサービスの内容が、実際の商品や競業企業の商品よりも著しく優良であると不当に示すことを禁じる「優良誤認表示」。2つ目が、商品やサービスの価格などの取引条件が、実際よりも著しく有利であると示すことを禁じる「有利誤認表示」。3つ目が、上記2点以外でも一般消費者の合理的な選択を妨げる表示を規制する、「内閣総理大臣が指定する不当な表示」です。
優良誤認表示とは、例えば修復歴がある中古自動車であるのに「修復歴なし」と表示をしたり、“この技術は当社だけ”と広告しているにもかかわらず、実はそうではなかったという場合の表示のことです。品質が実際のものより良いと誤解させる表示は禁止されているのです。
有利誤認表示とは、通常の取引よりもお得だと誤解させる表示のことです。例えば「特別価格」と表示されているのに、実際は通常価格と変わらない場合や、「地域最安値」と表示しているが、実は他店よりも割高といった表示のことです。これもまた禁止されています。
有利誤認表示でよく問題となるのが「二重価格」です。二重価格とは、通常の価格とセール時の価格を表示し、現在の取引がお得であることを示すケースです。例えば、「通常価格の半額でご提供」という広告を見かけることがあると思います。
この場合でも、セールの直前に通常の価格を2倍に設定しておけば、セール時に値上げ前の価格で売ったとしても「半額」という表示も全くの嘘ではなくなってしまいます。しかしそれでは消費者は通常の取引よりもお得だと誤解してしまうでしょう。
この規制に該当しないようにするには、「通常価格」をどのように考えるのかがポイントです。消費者庁のガイドラインによると、セール時から8週間前までの期間のうち、その半分以上の期間において販売されていた価格を通常価格とすれば、問題となる可能性は低くなります。
最後の内閣総理大臣が指定する不当な表示は、商品の原産国の偽装や、実際には購入できないものを購入できるかのように見せる「おとり広告」が該当します。原産国の表示に関しては、仕入れ先が誤った情報を提供するケースも見られます。
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本間 由也
こだまや法律事務所 代表弁護士 /税務調査士
1982年生まれ。2004年明治学院大学法学部法律学科卒業、2007年明治学院大学法科大学院法務職研究科法務専攻卒業。翌2008年に司法試験合格。紀尾井町法律事務所での勤務を経て、2011年1月法テラス西郷法律事務所初代所長に就任。2014年2月こだまや法律事務所を東京都国分寺市に開所、現在に至る。
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