脱IT初心者「社長の疑問・用語解説」(第82回)
ブルーライト対策にはうな重?
公開日:2016.12.19
根も葉もない誤報をSNSに投稿された結果、インターネット上に情報が拡散し、企業の社会的信用が損なわれる事態が近年数多く起きています。風評被害を放置しておくと、顧客離れ、銀行の融資停止、売り上げ低下といった事態を招き、最終的に経営破たんするまで追い込まれる危険性があります。
今回は、こうした事態を防ぐために、インターネットの風評被害に対してどのような手段を取るべきか解説します。
風評被害に遭ったときは、まず今後、法的措置を取ることを念頭に置いて、情報を発信した人間を特定するための手段を講じる必要があります。
具体的な方法としては、情報が書き込まれたサイトに対して、発信元の情報を開示するよう請求します。例えばGoogle+やFacebookといった実名を登録するサイトの場合には、住所などの情報を開示するよう求めます。そうすると、サイト側は開示に当たり、書き込んだ本人に情報開示の許可を求めることとなりますが、たいていの場合は許可を得られません。その場合は、サイト側を相手取って情報開示請求の訴訟を起こすこととなります。
一方、2ちゃんねるなど匿名型の場合には、まずサイトに対してIPアドレスの開示を求めます。IPアドレスを取得したら、それを元にプロバイダーを特定し、プロバイダーに対して発信者の情報を開示するよう求めることとなります。その後の手順は、実名登録型と同じです。
非常に手間がかかる手段ではありますが、サイト側やプロバイダー側から情報の発信者に連絡が行った時点で、将来的に誹謗(ひぼう)中傷の投稿を行うことが抑制される効果が生じます。
発信者が特定できれば、会社が被った損害に対して賠償を請求する訴訟を提起することが可能です。
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寺林 智栄/ともえ法律事務所
某有名資格試験予備校において公務員受験講座の民法、論作文等を8年間担当。2007年9月に弁護士登録、東京弁護士会に所属(登録番号 35560)。法テラス、琥珀法律事務所を経て、2014年にともえ法律事務所を開業。著書に「裁判員裁判のための量刑」(共著。現代人文社)。WEBサイト「シェアしたくなる法律事務所」「メルメクス:法律相談広場」でも執筆。
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